出版社内容情報
時空を超えて宗教と権力の問題を描く異色作
西暦663年、白村江の戦いで、百済王一族の兵士・ハリマは、唐軍に捕らえられ、顔の皮をはがれ、狼の皮を被せられた。不思議な老婆に助けられ、倭国へ渡ったハリマは、仏教によって追われた「狗(くちいぬ)族」という先住神たちと出会った。狗族は、産土神として崇める日本古来の神々だったが、大陸からきた仏教の台頭により魔物とされ、山奥にひっそりと暮らしていた。一方、ハリマは夢のなかで、火の鳥を神と崇拝する宗教団体「光」が支配する未来社会に生きるスグルという若者になった。時空を超えて宗教と権力の問題を描く異色作の後編。
【編集担当からのおすすめ情報】
角川書店豪華版のカラーページを再現。『野性時代』連載時の全扉絵を収録。
巻末に、未発表の下書きを3ページを収録。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ズー
11
うわー…もうほんとすごい。設定の行き来が!!!火の鳥全巻読み終わって、それぞれ全く違う形で生死を見せられて、わたしも少しだけ世の中を俯瞰して見られるような気がした。前世来世ほんとにあるのかもしれないな。運命の絆みたいなのもあるのかもしれないなと思わされる。しかしこれで終わりかぁと思いつつ、終わりなんてないのかもしれないなぁとも思う。例え地球が粉々になっても。2023/12/03
れい
9
【図書館】へー、ここで、そう繋がってくるのか!とアハがありました。誰にとっても、迫害されず、圧迫されない、そんな世界なんてないのかな?2016/10/19
在日宇宙人
0
面白すぎて上下巻とも一気読み。イデオロギーへの不信感が溢れている。2014/08/11
rinkaizzz
0
再読。話のスケールが壮大すぎて、そういうところも手塚漫画が好きな理由のひとつ。自分には芯から信仰する神仏はないけど、宗教は図りしれない力を持っていて、多彩な文化とか思考とか、とても興味深い。最後の1ページまで気が抜けない、神経を研ぎ澄まされる物語だなあ。2020/04/11