出版社内容情報
「性」の有り様を知ることで、私たちはもっと自由になる。
「違いがあってもいいんだよ」
トランスジェンダー研究者による明治大学での講義、待望の書籍化!
内容説明
「性」の有り様を知ることで私たちはもっと自由になる。「違いがあってもいいんだよ」―トランスジェンダー研究者による10年以上続く明治大学での講義、待望の書籍化!
目次
第1講 「性」を考えることの意味
第2講 ジェンダーを考える
第3講 セクシュアリティを考える
第4講 「性」の4要素論
第5講 「性」の多層構造論
第6講 「性」の多様性論
第7講 日本初のトランスジェンダーの大学教員として
著者等紹介
三橋順子[ミツハシジュンコ]
1955年、埼玉県秩父市生まれ、Trans‐woman。性社会文化史研究者。明治大学文学部非常勤講師。専門はジェンダー&セクシュアリティの歴史研究、とりわけ、性別越境、買売春(「赤線」)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Roko
40
「性同一性障害」概念の消失によって「性同一性障害者の性別の取扱いに関する法律」の改定は必至です。その際には、ぜひとも、諸外国に対して恥ずかしくない国際的な人権規範にそった法改正がなされることを望みます。(本文より) 「障害」とは「病気である」という意味であり、「性同一障害」という認識は、世界的には時代遅れなのだということを、この本で初めて知りました。三橋さんたちの訴えを日本政府は無視し続けています。学術的に確立されている事実を無視してまで、なぜ動こうとしないのですか?2023/12/01
りらこ
27
三橋先生は、トランスジェンダーの大学教授として活躍されていて私もずっと三橋先生の本を読んで、ご活躍を追っていました。この本は、大学での講義の基礎編をまとめたものですが、わかりやすく読むうちにその視点を持つことができるものです。TRPの活動なども三橋先生は一歩離れて見ていました。さらに政策などへの意見、提言などもされてきました。今後三橋先生の意見を後押しする力を世論がもっと持つべきだと思います。2024/01/02
katoyann
19
ジェンダーとセクシュアリティ研究の入門書。大学の講義録を編集した本であり、学生向けに分かりやすい説明がなされていると感じた。トランス女性としての立場からジェンダーの二項区分を問うというジェンダー&セクシュアリティの入門書は新鮮である。性差を自明の前提とした不平等論やセクシュアリティ論の抑圧性について、具体例を用いて論じた内容となっている。一方で、性と生殖の自己決定権に対するバックラッシュへの反応として第四波フェミニズムが台頭してきたという説明もあり、良い勉強になると思える一冊だった。2024/10/05
香菜子(かなこ・Kanako)
13
これからの時代を生き抜くためのジェンダー&セクシュアリティ論入門。三橋 順子先生の著書。これからの時代を生き抜くためのジェンダー&セクシュアリティ論の知識は絶対に必要。世界で活躍するためにはジェンダー&セクシュアリティ論の知識は不可欠。ジェンダー&セクシュアリティ論の知識は世界で恥をかかないことにつながる。2025/04/20
みじんこ
6
ジェンダーは「社会的・文化的な性」で生物学的性とは異なる後天的な物であるという点から、性規範、性的嗜好等も歴史や文化的背景の影響により構築されたという論は実に興味深く、昔と現代の日本の乳房への認識の違いの例も面白かった。「性」の多層構造は分かりやすく、「性同一性と性的指向は性別の移行に際しても必ずしも連動」しない点、性同一性障害が今は精神障害ではないこと等、知らないことばかりだった。「LGBT」についても解説されているが、確かに全てを兼ねられず、「性的少数者」の置き換え語として自分も使用していたのは反省。2024/03/01