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内容説明
“よそもの”によって作られ、常に変貌し続ける街・新大久保。気鋭のノンフィクションライターが活写した、多文化都市1年間の記録。
目次
はじめに 僕が新大久保に引っ越した理由
単なるコリアンタウンではない、多民族混在の街
外国人コミュニティを支える商売人たち
新大久保には神さまがたくさん
この街に人生を賭ける外国人たち
外国人が暮らすための「インフラ」とはなにか
オールドカマーとニューカマー、ふたつの世代の韓国人たち
はじめて開催された4か国合同の「新大久保フェス」
「よそもの」たちが紡いできた新大久保の歴史
結婚もビジネスもお祈りも音楽も、なにもかもが多国籍でごちゃ混ぜ
外国人との軋轢、日本人住民の葛藤
コロナウイルスは新大久保の姿を変えるのか
この街の未来を担う子供たち
著者等紹介
室橋裕和[ムロハシヒロカズ]
1974年生まれ。週刊誌記者を経てタイに移住。現地発の日本語情報誌に在籍し、10年にわたりタイ及び周辺国を取材する。帰国後はアジア専門のライター、編集者として活動(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ゆいまある
113
もしも家族の都合を考えなくていいのなら、新大久保に住んでみたい。料理なんて作らずに、毎日気ままに外食する。タイ料理、韓国料理、何でもあるし美味しいし。新大久保に移り住んだ筆者の、2020年7月までのルポ。韓流だけでなく、むしろベトナムとネパールの人々の元気さが目立つ。ただ、観光地になり過ぎて、住むには向かない街になりつつあるようだ。最近ニュースで見たけど、韓国行けない人が集まってた。私が独身の頃住んでいた十条も、国際化が進んでいるらしい。結婚しなければ多国籍になった街にいられたのか。ちょっと悔しい。2021/04/17
はっせー
94
新大久保に興味がある人や多国籍地域に興味がある人にぜひ読んでほしい本になっている!この本は著者の室橋さんが新大久保に住んでその地域に住んでいる人やお店の人に話を聞いて新大久保のことを知る本になっている。まず新大久保というと韓国のイメージが強いと思う。だがいまは違う。ベトナムやタイなど色んな国の方が住まれている。要するに日本が今後移民が増えたときにどんなふうになるのかのロールモデルになる地域だと思う。ここでは日本の方と海外の方がどうやって街を発展されるかを真剣に語っていた!ぜひ読んでほしい!2023/01/22
こばまり
61
以前、戸山の区民体育館に通っていたこともあり、今でも時折訪れる好きな街である。立ち並ぶ飲食店が一定の美味しさを保てるのはなぜか。開業のハードルは高くないのか。故郷への送金はどのように等、これまでの漠然とした疑問が氷解した。 2021/03/05
sayan
50
イスラム横丁がある、と聞き、大塚かなと思った。いや新大久保だ、と言われ全く想像ができなかった。川崎市のヘイトデモなど、新大久保が直面する課題がメインかと思ったが、随分異なった。まったく高野秀行的だ。冒頭から岩井俊二のスワロウテイルを彷彿させる多国籍・無国籍世界が広がる。19年~20年春先までを扱った本書は、偶然にその後をNHKが「コロナに揺れる多国籍タウン~東京 新大久保~」で取り上げた。若年層=外国籍:高齢層=日本国籍が半ば固定化し、一体感がないと愚痴り、それでもジモトと言う。この街の磁力に混乱気味だ。2021/01/03
読特
36
韓流だけではない。ベトナム、ミャンマー、バングラデシュ、タイ、インド、パキスタン・・。震災がもたらした多国籍化。その昔は”伊賀者”が住んだ街は変化する。それは国の縮図であったりもする。多様性に適応する行政、保育施設、学校、図書館。盛り上がるフェス。活気あふれる繁華街。・・移民政策は反対。安い外国人労働力は資本家の利潤追求の論理。分断されたコミュニティを乱立させてはいけない。だがらこそ、多様性を理解することが大切。緊縮財政・規制緩和・価格競争。デフレを推進し沈んて行くこの国へ、いつまで憧れてくれるだろうか。2020/12/16