出版社内容情報
あなたの知らない江戸のリアルがここに！ 本書は、当時の資料を元に、江戸時代がいかに"ブラック"な時代だったかを徹底検証する
永井義男［ナガイヨシオ］
内容説明
江戸はあなたが想うようなユートピアではない。あなたの知らない江戸の現実“リアル”がここに！
目次
第１章 江戸はブラック企業だらけ（休日は年に二日しかなかった；休暇がもらえるのは九年目 ほか）
第２章 安全ではなかった江戸の町（危険な警察業務は庶民がになう；町奉行所に市民を守る意識は希薄 ほか）
第３章 食の安全・安心などはなかった（江戸の水を飲むと下痢；旬の食材はそれしかなかったから ほか）
第４章 きたなくて残酷だった江戸の町（江戸はリサイクル都市だったのか；異臭が鼻をついた裏長屋 ほか）
第５章 高い識字率のまやかし（識字率世界一は本当か；お寒い武士の教養、文武両道はウソ ほか）
著者等紹介
永井義男［ナガイヨシオ］
１９４９年福岡生まれ。東京外国語大学卒業。１９９７年『算学奇人伝』で第六回開高健賞を受賞し、本格的な作家活動に入る（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kinkin
111
時代劇に手てくるのんびりお気楽な生活は実はそうでもなかったという本。考えてみれば私が子供の時、町中は様々なニオイにあふれていた。トイレ、ゴミ、ドブetｃ。下水はない。ゴミ箱は木製だった。そんな時代が昭和の中頃だから江戸時代はそれよろ良いとは考えられないな。犯罪についても多く反面取締もいい加減な面が多かったようだ。差別も多く食生活は粗末、ほんの一部の人達のために民衆は這いつくばって生きていた。遠山の金さんや暴れん坊将軍に見られるような民衆はかなりいい加減だったのかもしれない。図書館本2021/10/14
キムチ
67
軽い読み物の呈を成しつつも、結構に味がある。一番感概を得たのは近世が「弱いものに厳しい社会」。当時の欧州大国はなべて同様だった事実を思うと豈はからんや。「膝栗毛」の中身がユーモアのかけらもなく,社会的弱者を嘲笑、罵倒、軽侮する内容が多い事か。一九に罪はなく 当時の風潮だったろう。虐待の多い子育て、今のアフリカよりも酷そうな水事情。「ケ」の食事がいかに粗末だったか・・タンパク摂取など全く 考慮無。識字率が案外 優秀という文を見たことがあったが身分により異なるし、文武を完全に教えることがいかに不可能だったか。2020/04/01
きみたけ
56
江戸を美化せず、特定の史観にも与せず、現代の視点も失わず、江戸の実際の姿を見ていきたい、これが本書の意図だそうです。江戸時代の生活を浮き彫りにしています。決して安全ではなかった江戸の町、危険な警察業務を庶民が担っていたこと、過酷すぎる刑罰により隠蔽が横行していたことが大きな要因です。旬の食材を楽しんでいた？冷蔵庫や輸送手段のなかった時代、野菜や果物はむしろその旬の時期しか味わうことができなかったのが真相とのこと。子育てや弱者に対するセーフティネットなど、現代に比べ脆弱な面を認識しました。2021/05/26
yomineko＠ヴィタリにゃん
53
時代劇に出て来るような清潔な長屋ではなく異臭漂う割といや不潔な江戸の町。奉公に出ればなんと１年に２日、しかも日帰りの休みしかない！でもこういう所から今の日本が出来たんだなと思うと日本人の辛抱強さが窺い知れる。江戸時代楽しそうだなと思っていたけれどこの本を読んでからは断然現代の方がいいと思う様になりました。晒し首の写真まで載っていて、江戸時代はなんでもかんでも死刑に（市中引き回しの上獄門）なってしまったんだなぁ、、、と気の毒に思う。そんななか、生きのびた人たちのお蔭で自分が存在するということをしみじみ2019/04/14
TakaUP48
45
昨年辺りから、時代劇や人情長屋ものなどを読み始めている。手に汗握る決闘場面や朝風呂でサッパリなんていうのを読んでいて、本当はどうなの？と覗いてみることにした。今まで聞いた､読んだ話がバッサバッサと切り捨てられていく。年老いた剣豪は弱い。剣術の練習をしたことのなかった幕臣。身障者イジメやパワハラは当然！文盲も多く、アホ殿も多数。商人の世界では、奉公人の休暇は９年目。百万都市の治安・警備は、実働同心２４人で。犯罪のほとんどは示談。人件費は安く、物価は高い時代では、物は大事にリサイクル！モチ、排泄物は有効活用！2020/11/03
