内容説明
常温核融合は、発見当初こそ“放射能がほぼ発生しない、クリーンな核エネルギー”として、科学界やマスコミを賑わせたが、再現性の悪さなどから、「似非(えせ)科学」と指弾され、研究者たちも次々と去っていった。しかし、その後も、世界で約300人が研究を続け、研究者コミュニティとして正式な学会をもつことになった。そして、これまで、100パーセント再現性のある「核変換」実験などを含め、数多くの研究者からさまざまな発表が行なわれ、徐々にその実像が解明されようとしている。本書では、当分野の第一人者である著者が、「常温核融合」(凝集系核科学)研究の歴史と、著者らの最近の研究成果を詳しく解説する。
目次
第0章 本書を読むための基礎知識
第1章 序論
第2章 凝集核融合理論の研究経緯
第3章 「プラトン対称」Dクラスターの凝縮
第4章 「重水素クラスター」のダイナミックスと核融合率
第5章 「4D/TSC」のランジュバン方程式によるダイナミックス詳細
第6章 TSCによる核変換モデル
著者等紹介
高橋亮人[タカハシアキト]
1963年大阪大学電気工学科卒業。1965年大阪大学大学院原子核工学専攻修了、工学博士。1965‐2004年大阪大学原子力工学科にて助手・助教授・教授を勤め、2004年定年退官。大阪大学名誉教授。専門は核融合中性子工学・核反応。阪大にて、強力14MeV中性子源を建設・利用して、長年内外と共同研究。日本原子力学会特賞、同フェロー、タイチェンマイ大学名誉理学博士。趣味として、凝集系核現象を研究。フィアット財団トリュフ賞、岡田科学技術賞、2004年より凝集系核科学国際学会会長、大阪大学特任教授、(株)テクノバ、理事(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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