内容説明
悪名高い山賊ロトゥランドは、一人息子を公爵のように育てようと、修道院へ預けることに。神父たちの教育のお陰で、息子は立派な紳士に成長しました。そんなある日、父親に呼び戻された息子は、よりによって山賊の仕事を引き継ぐことになってしまいますが…。
著者等紹介
チャペック,カレル[チャペック,カレル][Capek,Karel]
1890‐1938。チェコの国民的作家。プラハの大学で哲学を研究し、ベルリン、パリにも留学した。1921年、リドヴェー・ノヴィニ(民衆新聞)社に入社し、ジャーナリストとして活躍する。画家である兄ヨゼフとともに、戯曲や小説、童話、評論、エッセイなどにおいても、多くの優れた作品を残した。戯曲『ロボット』で、「ロボット」という言葉を作ったことでも知られる
チャペック,ヨゼフ[チャペック,ヨゼフ][Capek,Josef]
1887‐1945。カレル・チャペックの実兄。画家や劇作家、芸術評論家、舞台美術家、装丁家、挿絵画家、エッセイストなど、様々な肩書きを持つ。1910年前後、カレルと共著で評論、散文などを執筆。以後、1916年にチャペック兄弟としてデビュー。キュビズム画家としても知られ、カレル作品のほとんどの装丁や挿し絵を手がけた(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ヒラP@ehon.gohon
21
荒くれもので冷酷な山賊が、一人息子を修道院に預け、礼儀作法や教養を身につけさせました。 そこで学び、育った息子が、山賊家業の後取りなどになれるわけはありません。 なんとも紳士的で、疑うことを知らない山賊の誕生ですが、それをいいことに、遭遇する人たちのなんと悪どいことでしょう。 笑い話のはずなのに、ロトゥランドの無策にはあきれてしまいました。2020/09/29
遠い日
6
「チャペックのフィルム絵本」シリーズ4。なんともお行儀のいい山賊に吹き出しながら、いつ気づくのかしら?とちょっとイライラ。でも、亡くなった山賊の父親にすれば、この息子は望み通りの紳士に育ったわけだから本望でしょう。どうなるのかと思ったら、なんと世間は世知辛い。この息子を教育したはずの神父さんたちの方がよっぽど悪知恵が働くわ!ぽかーんとしてしまいました。2021/01/28
AN
6
主役のロトゥランドがとにかく不憫なんだけど、可哀想というよりは滑稽で愛嬌があり、思わず読んでいて笑ってしまいました。残念ながら子どもは親を選べれませんから…。それでも真面目に優しさをもって生きているロトゥランドは実はかっこいいのかも!2014/04/11
chie
0
☆☆☆
アヤ
0
追い剥ぎを生業とするロトゥランドのしていることは悪いことではあるけれど、同時に人の子の親であることもよくわかる。かわいい息子には最高の教育を、との気持ちがあるのに、やっぱり家業を継がせてしまうなんて……。 2代目ロトゥランドが、騙されても騙されても善良であり続ける様は、神父様たちの教育の賜物かな。 ハッピーエンドで良かったです。2022/05/29