内容説明
世界はもう知っている、日本人はまだ知らない。江戸時代の日本に、レオナルド・ダ・ヴィンチに匹敵する天才がいた!歴史の教科書には載っていない司馬江漢の実像。「日本最初の銅版画家」であり、「洋風画の先駆者」とも呼ばれ、「奇人・変人・ハッタリ屋」と評されるが「徳川幕府を挑発し続けた男」であった。本書は、可能な限り史料にあたって、歴史上に実在した人物・司馬江漢のエピソードを集めたものである。ただし、史料が現存しない部分や、史料と史料をつなぐ部分などでは、従来常識に囚われない大胆な推論・推理を試みている。
目次
序幕 司馬江漢の実像(青い目で見たサムライとは?;江漢とダ・ヴィンチ、その共通点)
第1幕 『西遊日記』(1815年)より(鹿狩り同行記;昔、人間は猿だった ほか)
幕の内(江漢は町人か?侍か?;将軍様と花の江戸時代)
第2幕 『春破楼筆記』(1811年)より(田舎侍;福山藩主・阿部正精侯とのこと;絵画とは何か?;それでも地球は回っている;コーヒーミルの謎)
幕の内(日本人の腹の中)
第3幕 晩年の江漢(愚かなり奥州の人、世界を知らず;北斎は江漢の弟子なり;若き日の広重;月下の二人;司馬江漢は二度死ぬ;七つの顔を持つ男)
著者等紹介
對中如雲[タイナカジョウン]
昭和18(1943)年5月20日、東京生まれ。日本大学卒業。祖父である初代如雲は、明治時代の高名な美術収集家。父・二代如雲は書道家。平成6(1994)年、三代如雲を号す。伊豆高原美術館館長、西洋アンティーク美術館館長、武蔵野シルクロード美術館館長を歴任。現在は、中国王森然国際研究会理事、札幌マイセン美術館顧問などを務める。江戸の美術の研究・収集に注力し、特に江戸・西洋美術の相対性の研究をテーマとする。沼津市民大学講演など講演多数。中国明末の民族英雄「史可法」の絶筆を発見し、揚州・史可法記念館に無償で寄贈したことから、平成17(2005)年12月、同館名誉館員の称号を受ける。アメリカ民謡研究者としての側面を持ち、コントラバス奏者としても活動中。レコード・CDも多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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