出版社内容情報
大正末期、米子の町では二つの電車路線が開業しました。一つは1924(大正13)年に開業した法勝寺鉄道で、その後伯陽電鉄、山陰中央鉄道、そして日ノ丸自動車と社名を変わったものの、地元では“法勝寺電車”の愛称で親しまれ、1967(昭和42)年まで走り続けました。
もう一つは米子市内を皆生温泉まで走った路面電車である米子電車軌道でした。こちらは1925(大正14)年に開業し、今日の皆生温泉発展の礎となりましたが、1938(昭和13)年には早くも廃止されました。
本書は、米子市を走った、この2つの鉄道について解説するものです。
白土 貞夫[シラト サダオ]
目次
第1章 日ノ丸自動車法勝寺電車部(沿革;施設と運行;車輌)
第2章 米子電車軌道(沿革;施設・運行;車輌)
第3章 法勝寺電車・米子電車軌道に関する文献
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
やまほら
2
あまり取り上げられる機会のない2つの鉄道に関する1冊。興味をひかれる文章で読みやすく、定説に対抗するような部分が何か所も出てくるので面白い。とりあえず、米子へ行って法勝寺電車の保存車両を見たい。2016/12/25
えすてい
1
鉄道本でも取り上げられることがまずない日ノ丸自動車法勝寺電車部と米子電車軌道。その2社の存在を知らしめ一冊に纏めたのはRMライブラリーでも珍しい方か。前者では愛知電気鉄道→名鉄由来の電車もあったとのこと。また、木造電車は車体に鉄板を貼り付けた「ニセスチール」もあった。前者は戦後まで生き延びたもののモータリゼーションと利用客の著しい減少により廃止、後者はバスの登場により戦前で消え去った。2017/06/06