感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ラグエル
12
自費出版本を頂きました。ありがとうございました。透明感のある小品が複数所収。死や別れを扱ったものが多いけど、不思議と清涼感漂う物語たち。一つだけ、鳥、という作品は、ぎしぎしという効果音が耳について離れない生々しさを持っていて、ぺっとりと貼り付くような気味悪さと切なさがあった。続きがあるなら、読んでみたい。2012/01/17
かみしの
5
著者様よりいただきました。ありがとうございます。異界への憧憬という全編を貫くテーマのもと、ノスタルジアを感じる作品が多く収録されています。「リンゴ飴」のさりげなさはたまらなく好きです。「天の河原で」もお気に入りの一つで、切ない気持ちになりました。白眉は「レミング・シンドローム」、そして発展としての「鳥」です。こういう気持ちはなんとなくわかってしまいます。心が温かく、そして少し切なくなる印象深い一冊でした。2012/02/05
AsK
5
小さな一場面を切り取ったものから短編、連作まで。現代ものからファンタジーと様々なお話の短編集でした。最も印象的だったのは「鳥」、表題作となっている「まひるのはまべ」もよかったです。普段、どこかに置き忘れている「何か」をふと気づかせてくれる作品でした。「天の河原で」は光る星ぼしに想いを馳せたくなりました。2011/12/25
亮人
4
読書メーターで相互登録させてもらっている著者様から、以前に自主出版されたのを譲っていただいたのが本書。幻想的な短篇を中心とした作品集。表題作は、「真昼の浜辺」という単語がリフレインされ、永遠に続く浜辺のイメージが鮮烈に喚起される。2012/02/09
たお
4
さりげない言葉の端々にまで細やかな気配りが感じられた。まさに『珠玉』。一瞬を切り取った写真集のような一冊。硬質の透明感に包まれている。2011/12/22