内容説明
アマゾン川ってしってる?みなみアメリカにあるせかいで2ばんめに長い川だよ。ローザとかぞくは、アマゾン川のほとりにすんでいて、生きるためにひつようなものは、しぜんのなかからとってきてくらしているんだ。カイマンのかぞくも、アマゾン川にすんでいるよ。ある日、パパが赤ちゃんのカイマンをつかまえてきたら…。
著者等紹介
市川里美[イチカワサトミ]
岐阜県大垣市生まれ。1971年、旅行で訪れたパリにそのまま移住。その後独学で絵を学ぶ。こどもの世界をあたたかく、生き生きと描き、世界で出版された絵本は80冊を超える。『春のうたがきこえる』(偕成社)で講談社出版文化賞絵本賞、『はしって!アレン』(偕成社)で第28回サンケイ児童出版文化賞美術賞など、受賞多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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絵本専門士 おはなし会 芽ぶっく
18
お父さんが捕まえてきたカイマンの子ども。食用になるのを逃れましたが、子どもたちは飼いたいと思います。けれど仲間のもとに帰りたいカイマン。どうすれば仲間のところへ戻れるのでしょう。ある日お父さんが大人のカイマンを捕まえようと…。絶滅危惧種はとってはいけないと学校で習う子どもたちに対して、狩りをしないと生きていけないという両親。アマゾンの暮らしではどちらが正解なのか、なんとも言えない。2021/08/17
遠い日
7
カイマンの子どもを捕まえたお父さん。獲物はみんな、家族の食料になる暮らしと、ローザが学校で学んだ、絶滅危惧種への危機感との対比が厳しい現実をあぶり出す。結局大人のカイマンたちの結託で、子どものカイマンは命拾い。お礼のダンスが見ものです。「クルッ、パクッ!」はちょっと本気?だからスリリングで楽しい。2021/07/20
けいねこ
4
市川さんといえばパリという印象だったので、アマゾンのお話を読むとは思いませんでした。でも、パリでもアマゾンでも市川さんの絵には優しさがありますね。保護動物と決められたとしても、それをとって暮らしてきた人たちにとっては、簡単には受け入れられないことでしょう。それでもこどもたちに教育を続けていけば、そこから意識が変わることもあるでしょう。生きとし生けるものすべてが幸福になることは、とても難しい。2021/08/10
てぃうり
3
市川里美さんの世界を旅する絵本シリーズはどれもいい。嚙みつきダンスは怖いけれど、生きていく過酷さのリアルとファンタジーがいい感じで融合している。2021/09/19
Olga
1
アマゾンのほとりで暮らすローザの家では肉や魚をお店で買うことはなく、お父さんが川で捕まえたものを食べている。ある日、お父さんが持ってかえったのはカイマンの赤ちゃんだった。学校では、カイマンを捕まえたり、殺してはいけないと教えるけれど……。 市川里美さんの出身地・岐阜県大垣市立図書館の特別コーナーに寄せられていた文章を読み、ローザは市川さんの思いを代弁しているような印象を受けた。2021/07/10