内容説明
ぼくはしんだらどうなるの?だれもがもつ不安にあたたかくよりそう―
著者等紹介
横須賀香[ヨコスカカオリ]
東京都出身。東京藝術大学日本画科卒業、同大学院絵画科修了。幼稚園、高校、カルチャー教室などで絵画講師をつとめるかたわら、息子2人の子育てを経験するなかで、絵本の制作に興味を持つ。第32回日産童話と絵本のグランプリで大賞を受賞した『ちかしつのなかで』(BL出版)でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ぶんこ
37
小学生の男の子にとって「死」について考えてしまうのは、こんなにも恐ろしいことなんだとハッとしました。私ならどう話したかな。お母さんのようにはできないでしょう。施設のおばさんからの手紙の大きな川のところ。そうか、天国は空の彼方とは限らないのか。誰もが迎えること。親友も、言わないだけで怖がっていたのかもしれない。「こわくていいんだ」そう思えたのでよかった。2023/06/03
ヒラP@ehon.gohon
18
横須賀さんのピュアな絵に包まれて、真に迫る少年の悩みが響いてきます。 この絵本の中に出てくる「しぬ」という言葉が漢字でなくて良かったと思います。 誰でも一度はしぬのだから、誰もが怖いのは当然かも知れません。 でも、それだからこそ大切に思えることもいっぱい有るのですよね。 「死」というものをテーマにしながら、幼い心にエールを送っている作品です。2019/11/24
みさどん
14
自分も思っていた。死んだらどうなるんだろう。生まれる前は何だったのだろう。宇宙の果ての先はどうなっているんだろう。わからない怖さってある。不老不死って逆に不幸だとも思える。納得のストーリーだけど、絵が視線が合っていない表情に見えるのが残念。2019/12/19
ケニオミ
13
子供の頃、僕もありました。死に対する漠然とした恐れ。あまり考えないようにして、いつの間にかこの年になってしまったような気がします。亡くなった父親が、「歳をとると段々とできることが少なくなってきて、死を受け入れるようになる」と言っていましたが、彼は納得して死んだんでしょうか。今の僕にできるのは、できる限り悔いを残さず、できる限り友情や愛情を育むことではないかと考えています。2019/09/21
遠い日
12
死の哲学。子どもながら、死を思う時の不安と畏れに、心が押しつぶされそうになっているぼく。死ぬとはどういうことなのか?死んだらどうなるのか?わたしも、眠りと、死と、自分が自分で意識できない状態のそれらを畏れた時期があった。今は、死んだら終いと思いたいわたしだが、これは死への恐怖の裏返しなのかもしれない。2019/10/27