内容説明
ふと目にしたウサギのあとをおいかけて荒れ地にやってきたぼく。そこで見たのは―。繊細な絵でつむぎだす、いのちの物語。
著者等紹介
いまいあやの[イマイアヤノ]
1980年ロンドンに生まれる。イギリス、アメリカ、日本で育つ。武蔵野美術大学出身。2003年、2004年、2005年、2006年、2009年、2012年にボローニャ国際絵本原画展に入選(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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モリー
62
ご興味のある方は、書影を拡大してみてください。兎が口に咥えて運んでいるものは何でしょう?何故、そして、どこへ運んでいくのでしょう?兎は人間である私たちをじっと見つめています。何か言いたげです。少年が兎の跡を追いかけ森の奥へと誘い込まれます。少年が夢に見た100年後の森の姿とは・・・。夢から覚める前に、森の奥から声が聞こえてきます。「木も草も、鳥も虫も、魚も動物も、みんなのいのちが つながって、森は大きくなるんだよ。いのちは めぐっていくんだよ」(本文より)私も森の奥から聞こえる声に耳を澄まそうと思います。2020/03/15
momogaga
57
【おとなこそ絵本】百年後の森を夢見たお話です。表紙のウサギ、裏表紙の小鳥たち、そのほかたくさんの生き物たちが荒れ地に種まきをしていきます。森は自然の賜物、否、100年間、様々な人々の努力が、今は明治神宮の森として実を結んでいます。2021/02/03
ヒラP@ehon.gohon
36
いろんな動物たちが、どんぐりを持ってきては、荒れ地に埋めていきます。それが未来に向けた木々のためだとわかって、教えられたような気がしました。 自然の営みに、一番目を向けなければいけないのは、人間の方じゃないでしょうか。2022/10/08
れっつ
35
いまいあやのさんの絵は、なんとも優しくほんわか、それでいて繊細でリアル。美しく、所有したくなる逸品。見開きや扉絵のどんぐりの数々は、思わず指でつまみたくなるような詳細な立体感。おはなしは、ある秋の日、袋をくわえ、ぽろ、とどんぐりを落としながら駆けていくウサギの後を追いかけて、僕は荒れ地に辿り着く。見ていると、ウサギや鳥、リス、クマ、虫たちが次々やって来ては、どんぐりやタネを土に埋めていく。そんな様子を見ていて眠気に襲われた僕はいつのまにか眠ってしまい…そして目覚めるとそこは…!最後のページが印象的で素敵✨2018/12/20
anne@灯れ松明の火
26
新着チェックで気になっていたが、読めず。貸出ラッシュが落ち着いたのか、隣市で面置きしてあった! 表紙のウサギの静かな佇まい。でも、何かを訴えかけているような気もする。くわえている袋には何が? ウサギ、リス……、動物たちが木の実や種を持ってやってくるのは、なぜ? 動物たちの小さな努力。いつか実を結ぶのを楽しみに、努力は続く、めぐる。私たち人間も、その一端を担わなければ……。内容的にも素晴らしいけれど、繊細で美しい絵を眺めているだけでも十分。2019/01/20