出版社内容情報
時は大正。無政府主義者・大杉 栄。神出鬼没の和田久太郎。
浅草十二階下を彷徨う美的浮浪者・辻潤。関東大震災の死屍 累々。大杉殺し、真犯人は甘粕正彦か? ステッキ銃を手に大逆を企てる難波大助。
黒旗の下に集いし美女・豪傑・怪人・革命家。
1975年から、『現代の眼』誌上に連載された幻の傑作、初の単行本化!
目次
7 襤褸の巷にて
8 歴史の薄暮に炬火をかかぐ
9 震災前夜
10 炎と屍の街
11 大杉殺し、甘粕正彦か?
12 難波大助の復讐
13 挽歌の季節
14 ギロチン社の人々
エピロオグ
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
国士舘大学そっくりおじさん・寺
67
さて劇画『黒旗水滸伝』の内容である。沖縄の悲惨から始まり、都会へ移り、大正時代の有名なアナキスト達が登場。有名な右翼達も登場。読む前は、さぞや大杉栄や伊藤野枝が大暴れするのでは?と思っていたが、実際の主人公は昭和天皇の暗殺未遂犯・難波大助である。思えば今では天皇暗殺など起こそうという超リスキーな左翼はいなくなった。テロが無いのは良い事とはいえ、そのぶん天皇制は強くなっているのかも知れない。大杉栄グループの和田久太郎がカッコいいが、栗原康の『大杉栄伝』での和田さんはそんなにカッコ良くなかった。それで良い。2021/01/13
ピラックマ
2
大正アナキスト列伝。頁の上2/3がかわぐちかいじによる漫画、下が竹中労による文章。漫画と文章はリンクしてそうでしてないのでとりあえず漫画の部分のみ一気に読んだ。さて戻って・・・お腹一杯。右も左も一生懸命色んなことを考えていた時代。リアル”キチガイ地獄外道祭文”スチャラカ、チャカポコ。チャチャラカ、チャカポコ。2012/01/29