内容説明
身の毛もよだつ怪物とされるノロウェイの黒牛と結婚してもいいというむすめ。黒牛の背にのり、果てしない旅に出たむすめは黒牛にかけられた呪いを知り…くらい森をぬけ、さびしい荒れ野をこえて―むすめと呪われた黒牛のふしぎな恋。スコットランドに伝わる美しいむかしばなし。
著者等紹介
なかがわちひろ[ナカガワチヒロ]
東京芸術大学卒業。翻訳者、作家、画家。自作の童話『かりんちゃんと十五人のおひなさま』(偕成社)で野間児童文芸賞、自作の絵本『天使のかいかた』(理論社)で日本絵本賞読者賞、翻訳の絵本『どうぶつがすき』(あすなろ書房)で日本絵本賞翻訳絵本賞を受賞
さとうゆうすけ[サトウユウスケ]
2006年より雑誌MOEへの投稿をはじめ、2008年に初個展を開催。木彫、針金、陶器などの立体作品も手掛けている。『ノロウェイの黒牛』が絵本デビュー作となる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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mocha
80
とても奥行きのある絵に惹かれて。背景描写はお話に存分に浸れる仄暗さなのに、主人公の顔がとてもかわいらしくて、ヨーロッパと日本のいいとこ取りという感じがした。なかがわちひろさんは文章のリズムがよくて流石の安定感。物語はノルウェーの民話『太陽の東、月の西』系の派生民話のようだ。小さい頃に手にしたら、一生こころに住み着きそうな絵本。2019/06/07
アキ
77
京都の絵本専門店『響きの館』で、この絵本がデビュー作となる「さとうゆうすけ原画展」を見に行きました。この絵本が出来上がるまでのたくさんのスケッチや原画は圧倒的で、ヨーロッパ風の色調と格調を感じました。この物語のためにイメージをふくらまし、3年かけて出来上がった絵本だそうです。とても可愛らしいむすめとおばあさんの絵が好き。はじめのページの3人の娘が出てくる絵の左上に猫が潜んでいたのは、初読の時には気がつきませんでした。猫が好きな岐阜生まれの画家さんです。これからも追いかけたい画家さんが増えました。2020/02/29
☆よいこ
76
三人娘の末娘が黒牛と結婚することになり、牛の背に乗って旅をする。優しい黒牛の足の棘を抜くと、黒牛の呪いが半分解けて王子の姿にもどる。魔女との争いに負けた王子は娘を忘れてしまうが、娘は王子を探して旅を続ける。▽間違いない面白さ。読み聞かせには長いかな?高学年の読み聞かせに使えそう。2019/04/27
yomineko@ヴィタリにゃん
66
面白くて味のあるお話だった😊美しい3人娘のうち末娘は、結婚相手はノロウエイの黒牛でもいいと3度も言ったため、本当にやって来てしまった!しかし実は美しい王子が彼との結婚を目論む魔女に黒牛に変えられている。王子は魔物との戦いに勝つが、娘が彼と交わした約束を破ってしまったため、彼は姿を消してしまう。探し回って見つけたが、王子は魔女と結婚する事になっていた。何とか阻止したい娘は森でお婆さんから貰った3つの木の実に願いを託す。2024/06/27
アキ
61
「世界のむかしばなし絵本シリーズ」5冊目。このシリーズは絵の色使いが独特で、お話しもその地域の特性を表しているのでどの絵本も興味が尽きない。ノロウェイはノルウェイと関連があるの?スコットランドはノルウエイと地理的に近いが文化的に関係が深いのだろうか、牛は昔から馴染みがあったのかな、魔女に呪いをかけられるのはどこも同じだね、木の実の中の女の人はどうして糸をつむいでいるの、など色々想像がふくらむ。この絵本がデビューという、さとうゆうすけさんの絵が素敵すぎる。あんまりステキなので久々に子どもに読み聞かせしました2019/06/04
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