内容説明
18世紀のヴェネツィアにひとつの養育院があった。多くの孤児たちが暮らすその中に、口のきけない少女ラウラがいた。ラウラは、ある日、養育院の音楽隊を率いるアントニオ神父にリコーダーをわたされる。ラウラの運命が、動き出した。作曲家アントニオ・ヴィヴァルディの生涯をもとに描く感動のヒストリカル・フィクション。
著者等紹介
クロスリー=ホランド,ケビン[クロスリーホランド,ケビン] [Crossley‐Holland,Kevin]
1941年イギリス生まれ。詩人、児童文学作家。『あらし』(ほるぷ出版)にて1985年カーネギー賞、『ふたりのアーサー予言の石』(ソニーマガジンズ)にて2001年ガーディアン賞を受賞した
レイ,ジェーン[レイ,ジェーン] [Ray,Jane]
ロンドン生まれ。はじめて絵本のイラストを担当した“A Balloon for Grandad”でマザーグース賞にノミネートされる。以来、かずかずの絵本、読物を手がける
小島希里[コジマキリ]
東京生まれ。子どもむけの本を中心に翻訳をしている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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mocha
91
18世紀ヴェネツィア、孤児院兼音楽学校であるピエタ養育院には800人もの子どもたちが暮らしていたという。主人公は話すことのできない少女ラウラ。音楽教師であるヴィヴァルディがラウラにリコーダーを与え、ラウラの豊かな感性を育んでいく。美しい絵と詩的な文章で、とても雰囲気のある一冊。2017/10/10
mntmt
24
ヴェネチアの養育院。親に捨てられたラウラは、口がきけないけれど、ヴィヴァルディに音楽の才能を見出され、リコーダーを手渡されます。彼女の心の中に、いつも響いて来るメロディ…。文章も挿絵も詩のように美しいです。本屋で一目惚れしました。2016/07/09
バジルの葉っぱ
4
ヴィヴァルディが音楽教師をしていたピエタ養育院でリコーダーを吹く少女ラウラの物語。この時代のヴェネツィアの街の空気やカーニバルの様子も伝わってくる。ヴィヴァルディのラウラへの言葉「楽器を練習して演奏できるようになったら、かならず天使が立ち止まり、演奏に耳を傾けてくれる。それはたしかなんだ。」。素敵な言葉、胸にしまっておきます。小学生向きの児童書となっていたがYAの気がする。あと、ハープシコードと書くとわからない子もいそう。楽器やさんに売ってる楽器でシャルモーなどもまずわからなさそう。2016/07/14
バッカス
1
短編。通勤片道分で読了。作曲家のビバルディが登場する美しい物語、あるいは実話。彼が関わりを持っていたのは実話。美しい音楽そのもののような本。2024/02/01
ムーミンママ
0
ヴェネチアにえる療育院。そこで育てられた、話すことのできない少女。けれども、音楽家から、楽器の音色を教えてもらい、歌えなくても楽器を奏でられることを教わり、新しい世界を感じるようになる。ヴィバルディと少女を中心とした話。2017/08/29