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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
gtn
30
真実を知ったのに切り出せないもどかしさ。そのため、犠牲になった子を生んでしまった後悔。歳を重ねても誤魔化しきれないことに気付く時がきっと来る。2022/05/13
Naomi
22
黒いページに白い文字が浮かび上がって、静かに物語が進みます。「わたし、馬と話ができるのよ・・・」あのこがそう言うので、いくさにひきだされていない馬と会うことになりました。擬音語や比喩が、やわらかくて、かわいくて、心が和みます。時々、はさまれている挿絵は、怖いくらいです。悲しく美しく響く絵本、1966年に理論社から発行され、その後改訂された作品を新たに復刊したものだそうです。2015/04/16
エル・トポ
21
宇野亜喜良の絵による絵本。黒地に銀の文字。町から疎開してきたあのこは、馬と話ができると言う。戦争に駆り出されなかった不具の馬。村の少年は、あのこが馬と話したことが分かっていても、庇えなかった。あのこが町に帰った日に、赤々と燃えた町。静かな、美しい絵本。2024/06/23
遠い日
17
初出は1966年。1985年の改訂を経ての新たな復刊。宇野亞喜良氏の凄みをたたえた絵が、読了後も脳裏から去らない。戦時中、疎開先での一触即発のぴりぴりした空気のなか、ファンタジックな発言で疎開組と地元組を向き合わせた不思議な「あのこ」。少し大人びたイメージの少女の内面を敏感に感じとる太郎。ことばに載せられていないことばがふたりを繋ぐ。透明感に溢れる世界は、暗くとも清い。黒の地に浮かぶことばと絵が、わたしを鷲掴みにする。2015/05/30
ヒラP@ehon.gohon
13
【再読】大人のための絵本2023/03/12