内容説明
金曜日、ぼくは悲しい。明日は家族そろって海へ行くのに、台風が近づいているから。空はどんどん暗くなり、雨も強くなってきて……。大阪国際児童文学館主催日産自動車協賛、第25回ニッサン童話と絵本のグランプリ絵本大賞受賞作品。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ぶち
107
最後のページを開いた瞬間に目にとびこんでくる鮮やかなブルーの空。台風一過の爽やかな朝に気持ちも浮き立ってきます。自然と笑顔になっていました。 最初からのすべてのページはこの最後のブルーを見るためにあったかのようです。 学校の先生が「台風がくるから早く帰るように」と告げる何か恐い顔も、家の窓から見た曇って暗い外の風景も、想像の世界の帆船のマストも、みんな最後のブルーで雲散霧消です。2021/06/19
ままこ
90
台風前のソワソワ感がモノトーンで生き生きと描かれている。アングルも絶妙。夜にはいよいよ台風がやってきて…。台風が過ぎ去った後の青空の差し色が清々しく映える。裏表の見返しの対比も良いな。男の子は猫と仲良しなんだね♬【第25回ニッサン童話と絵本のグランプリ絵本大賞作品】2021/09/16
seacalf
86
うまいなあ。ホームルームの場面なんて、まるでそこにいるかのような錯覚に陥るくらい。構図と視点の描き方だけでこんなにも違うのか。乱れ降る風雨の住宅街の様子もうまい。ぐっと引き付けられてしまう。意識せずに知らず知らずに読んでいたけれど、みやこしあきこさんの絵本、三冊目だった。この作家さん、今後もしびれさせてくれそうだ。全然関係ないけど、しばしば登場する猫が可愛いくてずるい。2020/04/21
Kawai Hideki
76
週末に台風が来るという予報で、ヤキモキする少年のお話。金曜の午後に、警報が出たため、学校は休校に。土曜日は海に行く約束。ずっとまえから楽しみにしていたのに…。お母さんは、「来週行けばいいじゃない」とフォローするが、明日行きたいんだ!来週じゃダメなんだ。やがて、激しい風と雨が始まって、夕食も気が気でない。台風を止める機械のことを考えながら眠りにつくと…。最後のページの演出が良い。2016/09/11
☆よいこ
74
絵本。金曜日、明日は海に行くのを楽しみにしているのに台風が来ている。学校は早帰り、家では雨戸を閉め植木鉢を片付ける。夜になって、台風が来て、雨風の音が強くなってきた。台風のことを考えながら眠ると、船に乗ったぼくは、大きなプロペラで台風を、追い払う夢を見た。▽白黒で書かれた絵本、最後に晴れ渡る青が印象的。2009年刊2020/10/29
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