内容説明
ミアの村は、大きな街と雪をかぶった高い山々のあいだにある小さな集落。村の家々は人々があつめた半端物やこわれ物でつくったものです。街の人が捨てた不用物をあつめ、街へ売りにゆく暮らし。そんななかで、お父さんがすて犬を街から連れ帰ってきてから、ミアの毎日は変わります。持っているものは少なくても、今あるものを夢につなげていく―ミアの希望のものがたり。
著者等紹介
フォアマン,マイケル[フォアマン,マイケル][Foreman,Michael]
1938年、イギリス生まれ。王立美術学校で学び、アートディレクターを経て、絵本作家に。ケイト・グリーナウェイ賞を二度受賞。自身の体験をもとにした作品が多いが、その一方、イラストレーターとして、チャールズ・ディケンズ、オスカー・ワイルドなどの古典的名作から現代の作品まで挿絵を多く手がける
長田弘[オサダヒロシ]
詩人(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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翔亀
53
南米アンデスの麓の一見汚い粗大ごみの村が、実はリユース/リサイクルの村であったことを発見した作家の体験。自然/都市、生産/消費の循環が、"絵"であるからこそ表現された。ここでは色だ。読友さんから"フォアマンのブルー"を教わったのだが、灰色の廃棄物の背景には常に朝焼け・夕焼けのブルーがあって、浄化を予告している。アンデスの雲の上の山頂の雪に転がって見上げる青い空、白い高山植物のお花畑にも青い空が広がっている。フォアマンのブルーは都市を浄化する青。これは都市を再生する自然の話。好い絵本を読んだ。2016/01/19
tokotoko
28
物語は見開きのページから始まります。茶色と灰色に埋め尽くされた町に、青いトラックが向かってます。ページをめくると、今度は、アルプスを思い起こすような美しい山々に、ボンネットバスが向かってます。でもやはり灰色の町が片隅に見えてて。何が起こってるの?って思いながら読みました。スケッチ画のような絵が、この灰色の町と住む人達の厳しい暮らし、そして、あたたかいミアの家族を紹介してくれます。自分の考えで進み、新たな発想を生み、生きるミア。この環境だからこそ、強いミアが育ったのかな?こどもの日に読めて、よかったです。2014/05/05
小夜風
23
【図書館】チリのサンティアゴからアンデスの山へ向かった時、粗大ごみの野としか思えない荒れ果てた場所を通る……ミアにとってはそこが故郷で、世界だった。いつかレンガ造りの家を建てたいという、ミアの夢が叶うと良いな。2015/06/12
魚京童!
18
こういうの難しいよね。答えなんてない。ないのかな。どうすればいいんだろうね。こういう本があることを忘れないことくらいしかまだできない。2019/07/29
Shoko
18
図書館。マイケル・フォアマン 作、長田弘 訳。大きな街と雪をかぶった高い山々の間にある小さな村。そこはまるで、粗大ゴミの野としか見えないような、廃材でこしらえた家々の建つ村。そこで生まれ育った少女ミアとミアの家族たちの明るく、ひたむきな様子に目を覚まされるような思いがしました。 青く澄んだ空気の中、ミアが見つけた美しい白い花。まるで「今、自分に出来ることをする」という様子で花を育てるミア。ミアのお父さんの夢の「レンガ造りの家」がいつか建つといいな。2017/02/03
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