内容説明
お釈迦さまの舎利をうばいとった鬼、足疾鬼と、それを宇宙の果てまで追って取りもどす、仏法の守護神、韋駄天。ふたりの対決は、千年の時をこえてくりひろげられます。
著者等紹介
片山清司[カタヤマキヨシ]
歓世流能楽師。1964年、京都府生まれ。父は九世片山九郎右衛門(人間国宝)、祖母に故四世井上八千代、姉は五世井上八千代といった能と京舞の芸能の家に育つ。幼少から父に、長じて故八世歓世銕之亟に師事。5歳で初舞台以来、全国にて様々な演能活動を行う。最近では舞台制作や海外公演のプロデュースも手がける。平成8年度京都府文化賞奨励賞、平成14年度京都市芸術新人賞、平成15年度文化庁芸術祭新人賞、平成19年度日本伝統文化振興財団賞を受賞
小田切恵子[オダギリケイコ]
日本画家。東京都生まれ。女子美術大学芸術学部絵画学科卒業。日本美術院院友。森田曠平、伊藤髟耳に師事。日本画の伝統をふまえながら今日的画風を持ち、さまざまな場で活躍。個展2回、グループ展多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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はしけん
11
能の話がベース。意外に子供らの食い付きが良かった。バンコクで、寝釈迦を見て来たからかな?でも、じゃあ、能連れてくか、とは落語みたいにはならないなあ。せめて中学生くらいかな?早く一緒に行ける年にならないかな。2012/04/16
つき
8
御釈迦様の仏舎利を千年の時を超えて、再び盗んだ足疾鬼を捉えるため、増長天の部下である韋駄天が動き出す。 寺を困らせてやろうという意図ではなく、愛する御釈迦様の仏舎利を自分の側に置きたくて、2度も仏舎利を盗んだ足疾鬼が、『駆け込み訴え』のユダと被るように思えた。自己中心的で、他の人を考えていないところが鬼たる所以なのかな。2018/04/28
遠い日
7
能の演目『舎利』。足疾鬼の執念と、韋駄天の責任感。追い詰めてゆく緊張感がたまらない。泉涌寺の気品を感じる話でもありました。2019/09/23
たっくん?号
4
足疾鬼の気持ちもわからんこともない。好きな子いじめ的な感じだろうか?かまってほしくて、本当は好きなのに素直になれなくて・・・。何だか憎めない悪役の方が印象的だったな。2014/07/06
椿
1
足疾鬼がユーモラスで可愛い。何千年も思い詰めるほどなんだから、むしろもうあげたら良いじゃないと思ってしまった。そんなわけにもいかないのか。2017/01/09