内容説明
まほうつかいは、たかいとうに、ラプンツェルをとじこめました。そしてまい日、とうの下にやってきては、ラプンツェルによびかけました。「ラプンツェル!ラプンツェル!おまえのかみを、おろしておくれ!」。
著者等紹介
ワッツ,バーナデット[ワッツ,バーナデット][Watts,Bernadette]
1942年、イギリスに生まれる。ケント州のメイドストーン美術学校で学び、絵本作家のブライアン・ワイルドスミスに師事した。1969年『赤ずきん』がドイツの最優秀児童図書に選ばれ、同年、ボローニャ国際児童図書展にてグラフィック賞受賞。『ブレーメンの音楽隊』『みにくいあひるの子』『野の白鳥』など、グリム昔話やアンデルセン童話の絵本のほか、創作絵本も多い。イギリス、ケント州在住
福本友美子[フクモトユミコ]
慶應義塾大学卒業。公共図書館勤務を経て、現在は児童書の研究、評論、翻訳などをする。立教大学講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ヴェネツィア
289
原話はよく知られたグリム童話。イギリスの絵本作家バーナデット・ワッツの絵と文。まず文だが、原話と対照していないので、原話との忠実度はわからないが、ところどころよくわからないところがある。その最たるものは、目が見えなくなった王子が森を彷徨う何年間かの間にラプンツェルが双子の子どもを産み育てているというくだりである。そして、この誰の子とも知れぬ子どもたちと王子、ラプンツェルは幸せに暮らしたというのだが。絵はパステル・トーンの柔らかいタッチ。ラプンツェルにもう少し個性が欲しいところだ。2024/08/09
Hideto-S@仮想書店 月舟書房
82
グリム童話でよく知られる《髪長姫》の物語。イギリス出身のバーナデット・ワッツさんの絵は背景の草花がていねいに描かれていて美しい。人物は穏やかな表情で、魔法使い(魔女とは訳されていません)でさえ、怖くありません。最も凄惨な王子がいばらに落ちる場面は描かれていません。「ふたりはいつまでもいっしょに、なかよく、しあわせにくらしました。おしまい」。全体的に大らかで昔話風の訳ですね。2006年6月初版。2015/08/23
モモ
33
バーナデット・ワッツさんの絵が素敵な絵本。この絵本が他の『ラプンツェル』と一線を画するのが、魔女がラプンツェルのことが大好きだということ。バーナデットさんの解釈で書かれたのだろう。裏表紙にラプンツェルが魔女に花を差し出し「まあ!」と喜んでいる魔女が愛しい一冊。2019/11/26
小夜風
24
【図書館】以前サラ・ギブのラプンツェルを読みましたが、今回これを読んで、へ?こんな話だったの?とかなりビックリしました。魔法使いのおばあさんは、ラプンツェルをどうするつもりだったんでしょう?読後に裏表紙を見ると、凄く幸せそうな魔法使いとラプンツェルが描かれていて、何だか切なくなりました。少女のままではいられない…ってことかな~?2015/03/04
さきん
19
魔女の美味しそうなレタスを盗んで食べて魔女に産む子を没収される。大きくなったら塔に閉じ込められて。最初から魔女がレタスを食べたい風に作り、かわいい女の子が欲しかったのではという話の流れ。グリム兄弟の映画版でペストで塔に隔離された姫がナポレオン時代に祟るというのがなかったっけと思い出す次第。2017/11/23