内容説明
一冊の本がひとつの庭を呼び醒ます。それはだれもが心のなかにもっている小さな庭。そこには、一輪の記憶の花がゆれている。なつかしい樹がたっている。繊細さと気品にあふれた絵と、そこから紡ぎ出された言葉とが結晶した、美しい果実のような一冊。
著者等紹介
ストダート,ロウラ[ストダート,ロウラ][Stoddart,Laura]
ブライトン芸術大学からロイヤル芸術大学に進み、修士号を取得。1996年、イギリスのロイヤルメールのクリスマス用切手をデザインしたのが初めての仕事となる。この種のデザインを依頼された最年少のアーティストである。インテリア、ガーデニング関係の雑誌でイラストレーションを担当するほか、Crabtree & Evelynのパッケージデザイン、グリーティングカードなど活躍の場は広い
きたむらさとし[キタムラサトシ]
1956年、東京に生まれる。1979年、広告関係のイラストの仕事を経た後、はじめてイギリスに渡る。1982年、処女作『ぼくはおこった』(ハーウィン・オラム文/評論社)で、イギリスの絵本の新人画家におくられるマザーグース賞、邦訳後に絵本にっぽん賞を受賞。1983年よりロンドンに住み、イギリスを中心に、絵本作家、イラストレーターとして活躍
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
やすらぎ
173
あなたの心の本棚に大切に収められている一冊の物語を久しぶりに開いてみませんか。記憶の片隅から、鮮やかな懐かしさが蘇ってくるかもしれません。人は夜になると夢を見る。ほとんど忘れられてしまうけど。今朝からずっとそよ風を待っている、これが私の庭。この一本の木とはいつも一緒で、夏には花が咲いて鳥たちが集まってきてくれる。雨の午後は雨宿りするけど、そんなときも植物は喜んでいるから見つめているだけで幸せになれる楽しい時間。庭の小径には小さな自然が溢れている。久しぶりに手にした本の栞には、あの春の日の若葉が眠っていた。2023/07/22
なつ
33
何て、何て、愛らしいんだろう。絵も文章もデザインも、全てが完璧。全てが私好み。何度手に取っても、あぁ、溜息が…。『図書館での一期一会本』はたくさんあるけど、こういう本に不意に出逢うとつくづく思う。感嘆と歓喜で全身満たされる本との出逢いは神様からのご褒美、サプライズプレゼント、だと。以下、一部抜粋です。『天と地のあいまに腰をおちつけると、【ものおもい】というものが発生した』『本は家具である』『食卓はひとつの庭である』『Flower bed(花壇)』『雨の日の庭仕事』『地球の瞳は 宇宙の四方をみつめている』↓2023/07/10
シナモン
13
図書館で読んだ。絵も文章も上品。人生の哲学みたいなものを感じた。手元に置いておきたい一冊。2018/09/15
ひよこまめ
10
素敵な絵と文だと思う。お気に入りの空間でゆったりと、豊かな時間を過ごしているような気分を味わった。「食卓」、「庭仕事が好きな王」、「雨の日の庭仕事」が特に好き。2015/02/21
みけのすずね
9
イラストも文も気に入りました。素朴な思索とでもいうのかな。 花壇は花の寝台。 一冊の本のなかの出来事のように思い出される1ページごとの記憶の庭。 樹は立っている。思慮深そうに、じっと立っている。夜になっても、横にならずに、雨が降っても、走りださない。自分の種が落ちたところにしっかりと根をはり、迷うことなく、立っている。2015/12/23
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