内容説明
いまから100年ほど前、エリック・サティは、パリの街を歩いていました。山高帽をかぶり、ネクタイをつけ、まともすぎるほど、まともに見えました。でも、はずかしそうなそのほほえみのしたで、サティはずっと考えていました―新しい音楽をうみだしたい。それまでの決まりごとにはとらわれず、だれもきいたことのない新しい音楽を、と。
著者等紹介
アンダーソン,M.T.[アンダーソン,M.T.][Anderson,M.T.]
ヤングアダルト作品Feed、作曲家ハイドンの伝記絵本が、ボストングローブ・ホーンブック賞オナーブックになったほか、Feedは2002年度全米図書賞最終候補作に。ヴァーモント大学の先生もしていて、ボストンに住んでいる
マザーズ,ペトラ[マザーズ,ペトラ][Mathers,Petra]
オレゴン州アストリアに住んでいる
今江祥智[イマエヨシトモ]
1932年大阪生まれ。絵本、童話、小説、エッセイ、翻訳など幅広いジャンルで活躍
遠藤育枝[エンドウイクエ]
アメリカ・シモンズ大学で児童文学を学び、現在京都精華大学で児童文学と英語を教えている
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
125
エリック・サティの生涯をすてきな絵で紹介してくれます。色合いも素晴らしく印象に残る絵本でした。私はてっきり物語で表紙がこのような感じなので絵本とは思いませんでした。サティの音楽は好きな方で、高橋アキさんなどのCDをもっぱら聞いています。サティについてはこのような生涯をおくったということをこの本で初めて知ることができよかったという気がしました。2016/12/24
けんちゃん
21
読友さんのご紹介本。少年のような心と激しい感情、そして豊かな創造力をもったエリック・サティの伝記的作品。かわり者と呼ばれて、その持ち味がなかなか理解されなかったサティ。巻末見開きの「音楽家の規則正しい生活」だけ読んでもその人となりがわかります。断片的に知っているエピソードの底にあるものが少しだけ見えた気がします。「ジュ・トゥ・ヴー」をはじめとする耳に馴染んだ曲以外の曲、特に不思議なタイトルの曲たちを聴いてみたくなりました。2012/02/14
mntmt
19
サティさんって、エリック サティのことでしたか。ジムノペディを聴きながら、読みました。2016/12/14
Cinejazz
14
“音楽界の異端児・変り者”と云われたフランスの作曲家エリック・サティ(1866-1925)の生涯をおった伝記絵本。 静かな河の流れにたゆたうようなピアノ曲「ジムノペティ」からは、短気な怒り屋さんらしからぬ人物像が描かれている。 天才ピアニストの孤独な生涯に思いを馳せて、彼が遺した名曲に耳を傾けよう。2024/02/19
りるふぃー
13
超新星爆発後の宇宙のように、偉大な音楽家や画家が惜しげもなく生み出されていった19世紀~20世紀のフランス。日本でいうと大正時代のように、美しい自然と近代化の波、戦争の暗い影など光と闇が渦を巻いている混沌とした時代だったのかな。サティさんの退廃的だけど美しい音楽は そんな時代に似合っただろうと思う。ジムノペディなどの有名曲以外も、じっくり聴いてみたい。絵も文章もとても素敵でおしゃれでした。2020/08/19