出版社内容情報
ニューヨークのハドソン川べりにたつ小さな赤い灯台は、行き来する船に、休まず光を送る毎日。ところが、巨大なジョージ・ワシントン橋が建設され、橋の放つ力強い標識灯を見たとき、灯台の心は小さくしぼんでしまうのでした……。それぞれが、オンリーワンとして自分の役目をはたすことの素晴らしさがまっすぐに伝わってくる秀作です。
内容説明
1942年から読みつがれる名作。近代的で巨大な橋が次々と建設されていった当時のアメリカで、この絵本は、小さな赤い灯台の保存を社会に強く訴えたのでした。小さくても、かけがえのないオンリーワン―60年余の年月をへて、このメッセージは今なお輝き続けています。
著者等紹介
スウィフト,ヒルデガード・H.[スウィフト,ヒルデガードH.]
1890‐1977。数多くの子どもの本を執筆、勇ましく困難に立ち向うアメリカ人の姿を描きつづけた。代表作“The Railroad to Freedom”は1933年のニューベリー賞オナーブックに選ばれた
ウォード,リンド[ウォード,リンド][Ward,Lynd]
1905‐1985。児童書、一般書合わせて200冊以上ものイラストを手がける。1953年には、水彩で描いた“The Biggest Bear”がコールデコット賞を受賞。一方、木を使った彫刻でも有名で、作品はアメリカ国内外の美術館に収められている
掛川恭子[カケガワヤスコ]
1936年、東京生まれ。津田塾大学卒業後、児童文学の翻訳にあたる
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
小夜風
25
【図書館】ニューヨークのハドソン川にある実在の灯台のお話。建造物や船や霧まで擬人化されてる絵が面白く、感心しながら読みました。赤い灯台の行く末を思いハラハラしましたが、小さいけど誇り高く素敵な灯台でした。2015/06/05
遠い日
20
ニューヨークのハドソン川のほとりに立つ小さな灯台にまつわる物語。自分の役目の誇らしさと、時の流れの中でその役目の終焉を自覚する灯台に、再度自分の働きを全うするように促すジョージ・ワシントン橋の標識灯。落ち着いた口調の励ましが、しっかりと心に残る。少しレトロな味わいの絵もすばらしいし、この灯台の来し方を綴ったあとがきの代わりのことばにも、心打たれる。2015/06/21
まさまま
18
◉ちいさな丸くて赤い灯台のお話。 ドキドキハラハラ…あっという間に読めました。灯台や船の表情も♡◉とっても自然な翻訳。訳者の掛川恭子さんは『赤毛のアン』『ルピナスさん』を手掛けた方✨◉「それぞれが自分の役目を果たすのだ!」じんとしました🥲良書。2024/11/09
gtn
14
誰もが、その人にしか果たせない使命がある。2019/11/20
mntmt
14
ニューヨークのハドソン川沿いにあるらしい。ぜひ、見に行きたい…でも、遠いよ…。1942年から読み継がれている絵本。原題:The Little Red Lighthouse And The Great Gray Bridge2015/06/25