同性愛と新約聖書―古代地中海世界の性文化と性の権力構造

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  • サイズ A5判/ページ数 501p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784776300809
  • NDC分類 193.5
  • Cコード C1016

内容説明

ソドムの罪とはなにか?聖書に記されていることは正しいのか?キリスト教の生み出した同性愛への偏見を聖書学から批判する!

目次

第1章 問題の所在―新約聖書は同性愛を罪と見なしているか?
第2章 「性」の歴史的研究―歴史的考察の対象としての新約聖書の「性」
第3章 用語と概念―研究史的に
第4章 古代ギリシャ・ローマ世界のホモエロティシズム―権力構造としてのセックスとジェンダー
第5章 「ソドムの罪」は同性愛か?―創世記13章、18章、19章とユダ書7節
第6章 新約聖書におけるポルノス(PORNOS)―ギリシャ・ローマ世界の売春構造と男娼
第7章 「女のような男/女々しい男」は罪人か?(Iコリント書6章9節)―古代ギリシャ・ローマ世界におけるマラコス(MALAKOS)
第8章 男と男が寝るのは罪か?―Iコリント書6章9節とIテモテ書1章10節
第9章 ジェンダーの「用法」―ローマ書1章26‐27節におけるクレーシス(chresis)
第10章 結論―同性愛と新約聖書

著者等紹介

小林昭博[コバヤシアキヒロ]
1967年北海道小樽生まれ。1993年農村伝道神学校卒業。1993年日本基督教団宇佐美教会牧師、1997年同神戸イエス団教会牧師、2003年同西宮公同教会牧師、2006年関西学院大学大学院奨励研究員を経て、2008年関西学院大学大学院神学研究科博士課程後期課程修了。博士(神学)取得。2013年より北海道江別市にある酪農学園大学教員(キリスト教応用倫理学研究室)。現在、同教授。専攻は新約聖書学。研究室の主要なテーマはジェンダー・セクシュアリティ研究。日本基督教団北海教区平和部門委員会委員(靖国・天皇制問題担当)、関東神学ゼミナール『fad』編集委員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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松本直哉

22
学術書らしい周到な文章の行間から著者の熱い思いが見え隠れする。19世紀に生れたばかりの同性愛の概念を古代の文書に読み込むことの時代錯誤。当時は性的指向が同性か異性かではなく、性的役割の逸脱や転倒こそが問題で、それゆえ受動的な立場の男娼が蔑まれる。しかしそのとき、彼が男娼を選ばざるをえなかった背景の事情、人身売買による性奴隷の問題は問われない。男娼やトランスジェンダーを激しく断罪したパウロと、いや取税人や娼婦(そしてたぶん男娼も)こそが神の国を継ぐと説いたイエスの言葉が同居しているのが、聖書という奇妙な書物2021/10/23

みかん

1
凄まじい力作だった。1次文献を仔細に読み込み、とにかく原典に忠実に分析する。そのエネルギー溢れる研究書からしか得られない爽快感と誠実さ。2024/06/20

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