内容説明
ロシア革命最後の高揚は苛烈な弾圧を受ける。革命とは見果てぬ夢なのか?
目次
クロンシュタット・コミューン(イダ・メット)(クロンシュタット事件;各政治党派の見解と動向;クロンシュタット―ソヴィエト最後の高揚)
クロンシュタット論(レオン・トロツキー)(ヴェンデリン・トマスの問いかけ;クロンシュタットをめぐる非難・弾劾;再びクロンシュタット鎮圧について)
ロシア革命における“一九二一年”
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
はる
6
100年前に起こった事件。この事件は血も涙もない組織ロシア共産党とその指導部ボルシェビキを世界に印象付けた事件として有名。革命後の内戦と外国からの干渉、戦時共産主義体制下の食糧配給、穀物食糧の供出強制。その中で起こったバルチック艦隊水兵採択の民主主義15綱目の要求。果たして其の儘通る時代情勢であったか?経済打開策の一部自由市場再開ネップ計画は叛乱前に提起されていたが、指導部の評価は低く農民への不信感に満ちたものだったようだ。果たしてこの叛乱は情勢が生み出したものか、意図的なものか分からない。2021/07/03
うえ
4
湯浅赴男の解説が詳細。スターリンに関する言及はない。「叛乱ー最初の大規模な赤軍の叛乱ーをひきおこした責任は、レーニン、トロツキーのボリシェヴィキにある…しかしながら、レーニンの死とトロツキーの追放は、彼らがこの責任を最後まで取ることを不可能とした。…死をもって報いられたトロツキーの後半生の闘争の一つの側面は、このクロンシュタットの叛乱の責任を政治的にとることにあったといえる(なお、彼自身もセルジュも言っているように、俗説とはことなり、トロツキー自身は個人的には弾圧の責任者ではなかった)。」2024/03/02