内容説明
体温差のある叙情。これは、社会学研究者6人が紡ぎだす「fan」というせつなさの森である。
目次
ファンダムの場を創るということ―コミックマーケットのスタッフ活動
「二次創作」活動とそのネットワークについて
ゲーマーはエロと戯れるか?
“ナチュラル”ボディを手に入れる―総合格闘技ファンの身体・コミュニケーション
女同士が見せる夢―ファンは「宝塚」をどう見ているか
関係性の楽園/地獄―ジャニーズ系アイドルをめぐるファンたちのコミュニケーション
執筆者座談会 ファンダムを記述するということ
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
シュンヤ
1
欧米では盛んな「ファン」に焦点を当てた研究は、日本ではほとんど行われていない。 この本は、そんな日本における未開の地に踏み込んだ意欲的な一冊である。 コミケ運営側が無償でやる動機や実際の腐女子の生態、パソコンの進化とエロゲの歴史、格闘技ファンの行動分析の果てに導ける意外な結論、宝塚における他に類を見ないセクシャリティー、ジャニーズファンの間に出回る怪文書からのファン考察、 といった内容から成っている。 どの文化も90年代以前の経験や調査に基づいていて、ネットとの関連にまであまり斬り込めていないのが残念2012/06/04
hayate
0
「ファン」研究に関する導入のような本。「それぞれの」と銘打っているように、書き方もアプローチも対象も様々。これをたたき台にして、ファン研究に関する論文を読むには良い。しかし、ファン研究で一番引っかかるのは、ただファンであるという以上に、「どうしてその対象を選んだのか」という視点なんだと思う。これにうまく答えられている研究というのは思ったより少ない。だいたい対象をポピュラー文化であるととりあえず位置づけ、具体例から分析する。そうなると、単にその「ファン」でない人にとってその研究は開かれているとは言い難い。2014/04/28
トニー
0
ファンに焦点を当てた一冊。コミケ・宝塚・ジャニーズ・エロゲー・二次創作・格闘技…著者らがファンでもあるようで、分かりやすい文章で単なる研究本ではないと感じる。どのファンも同じようなものなのかしらん。興味のある章以外も楽しめた。2010/09/05
アアア
0
修論のために読んだ。面白い。2022/05/14