内容説明
今になってなぜ斎藤和さん、大地の牙なのかという疑問もあるだろう。もっとも大きな理由は、浴田さんが日本に強制送還されたことにより、斎藤さんと大地の牙について公然と語れる人物が現れたからだ。それまでは当事者が不在だったので、語ろうにも語ることができなかった。しかし状況が変わったからには、斎藤さんの姿を歴史の闇に葬り去るのではなく、今後に伝えていくべき記録として本書に留めておきたいと考えた。そして、東アジア反日武装戦線の思想と行動は、今もってその牙を日本および日本人に向け続けているのだ。ソ連・東欧共産圏の消滅、バブル景気とその崩壊をもって、革命への幻想はほとんど終焉した。しかしそれは、東アジア反日武装戦線が突きつけた問題が過去のものになったことをも意味するわけではない。
目次
第1章 東京行動戦線から東アジア反日武装戦線へ
第2章 斎藤和さんをめぐる証言(久田恵;福田隆三;朝倉喬司 ほか)
第3章 カズ君への手紙(七五年五月一九日;取調べの日々;獄中での出会い ほか)
資料編(兵器工場(日特金)攻撃事件冒陳
『中国人は日本で何をされたか―中国人強制連行の記録』からの抜粋
『腹腹時計―都市ゲリラ兵士の読本VOL.1』からの抜粋 ほか)
-
- 和書
- アイちゃんのいる教室