出版社内容情報
安倍内閣の元内閣官房参与で、MMT(現代貨幣理論)を提唱する京都大学大学院教授の藤井聡に、日本経済復活の方法を田原総一朗が迫る。
第1章 「プライマリーバランス規律は絶対」というデマを信じる困った人々
第2章 「国家の借金」と「家計の借金」を同列にする困った人々
第3章 「消費税増税で日本を貧困化」させた困った人々
第4章 「財源がない」を何もしないための切り札に使う困った人々
第5章 世界から日本がナメられはじめているのに手を打たない困った人々
〝国の借金〟は、1200兆円以上の巨額に膨らんでしまった。このままいけば、10年くらい先には、日本は間違いなく財政破綻してしまう。こういう〝悲観論〟が、この国を覆っている。
そんななか、藤井聡さんが、これまで聞いたことがない、超前向きの〝強気論〟を吠えまくった。
提言1 プライマリーバランス規律の撤廃
提言2 新型コロナ終息まで消費税0%
提言3 企業に対する粗利補償
提言4 未来を拓く危機管理投資
これをただちに実行せよ。そうすれば、日本経済は絶対によくなる。日本は必ず復活できる、というのだ。
藤井さんは6年間、内閣官房参与を務め、ようするに安倍晋三・前首相のアドバイザーだった。「国土強靭化」をいい出したのも彼だという。
しかし、借金まみれの日本に、そんなことが可能なのか?
MMT(現代貨幣理論)に基づけば問題ないのだ、と聞いても、率直にいって私はあまり信用できなかった。世の〝常識〟とあまりにかけ離れた主張ではないか。
そこで私は、思いきって否定的な疑問を、どんどんぶつけた。対して藤井さんは、私を説得し続けた。
経済の推移を示すグラフ、現に先進各国がおこなっている巨額の財政出動、デフレの原因分析など、さまざまなデータも、これでもかこれでもかと持ち出して、懇切丁寧に解説してくれた。
正直いって経済にあまり詳しくない私にも、とてもわかりやすく、納得できる説得力だった。
こうすれば日本経済は持続可能だ、日本国の財政破綻もない、という確かな自信を得ることができた。
読者のみなさんも、いま日本がもっとも必要としている藤井さんの説得に、目を凝らし、耳を傾けてほしい。
そうすれば、必ずやこの閉塞状況を打ち破ることができるはずである。また、編集部の提案で、若手のマンガ家、若林杏樹さんのマンガも掲載した。藤井さんと私の激論が、30代の女性にはどのように映るのか楽しんでいただけたらと思う。(田原総一朗)
目次
第1章 「プライマリーバランス規律は絶対」というデマを信じる困った人々(『朝まで生テレビ!』を見て、西部邁へ弟子入りした;なぜ「土木」の専門家なのに「経済」を語れるのか? ほか)
第2章 「国家の借金」と「家計の借金」を同列にする困った人々(政府が財務破綻するというのは「完全にデマ」である;「コロナ禍は有事である」という発想がない! ほか)
第3章 「消費税増税で日本を貧困化」させた困った人々(衆院選は「消費税0%」を実現する大チャンスだ!;アベノミクス批判など聞きたくもない。野党はきちんとビジョンを示せ! ほか)
第4章 「財源がない」を何もしないための切り札に使う困った人々(コロナ禍で政府のいうとおり自粛する国民に、補償を出すのは当たり前だ;遅れた緊急事態宣言、曖昧な自粛要請、少ない補償、たれ流しのメディア 国民よ、もっと怒ろう! ほか)
第5章 世界から日本がナメられはじめているのに手を打たない困った人々(「資本主義の行き詰まり」をどうすればよいのか?;「市場の失敗」を避けるためには、適切に管理することが必要だ ほか)
著者等紹介
田原総一朗[タハラソウイチロウ]
ジャーナリスト。1934年、滋賀県生まれ。60年、岩波映画製作所入社、64年、東京12チャンネル(現テレビ東京)に開局とともに入社。77年にフリーに。「朝まで生テレビ!」「サンデープロジェクト」(テレビ朝日系)でテレビジャーナリズムの新しい地平を拓く。98年、戦後の放送ジャーナリスト1人を選ぶ城戸又一賞を受賞。早稲田大学特命教授として、2017年3月まで「大隈塾」塾頭も務める。テレビ・ラジオの出演多数。著書多数
藤井聡[フジイサトシ]
京都大学大学院工学研究科(都市社会工学)教授、京都大学レジリエンス実践ユニット長。1968年、奈良県生まれ。京都大学卒業、同大学院修了後、同大学助教授、東京工業大学教授等を経て現職。12年より18年まで安倍内閣・内閣官房参与にて防災減災ニューディール政策を担当。専門は経済財政政策・インフラ政策等の公共政策論。文部科学大臣表彰・若手科学者賞、日本学術振興会賞等受賞多数。著書多数。18年より「表現者クライテリオン」編集長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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Daisuke Oyamada
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