内容説明
本書はトレーディングについてのみ書かれたものではない。基本的な数学法則とコントロール不可能なリスクを伴う一連の結果を扱うときに、これらの数学法則がわれわれにどのような影響を及ぼすのかが本書のメーンテーマである。
目次
第1部 理論編(確率過程とギャンブル理論;確率分布;利益の再投資と幾何的成長;オプティマルf;オプティマルfの性質;成長の法則、効用、有限流列;古典的ポートフォリオ構築法;平均分散ポートフォリオの幾何学;レバレッジスペースモデル;レバレッジスペース・ポートフォリオの幾何学)
第2部 実践編(プロたちのテクニック;レバレッジスペース・ポートフォリオモデルの現実世界への応用)
著者等紹介
ビンス,ラルフ[ビンス,ラルフ][Vince,Ralph]
トレーディング業界へは歩合制外務員として入り、のちには大口の先物トレーダーやファンドマネジャーのコンサルタント兼プログラマーを務める
長尾慎太郎[ナガオシンタロウ]
東京大学工学部原子力工学科卒。日米の銀行、投資顧問会社、ヘッジファンドなどを経て、現在は大手運用会社勤務
山下恵美子[ヤマシタエミコ]
電気通信大学・電子工学科卒。エレクトロニクス専門商社で社内翻訳スタッフとして勤務したあと、現在はフリーランスで特許翻訳、ノンフィクションを中心に翻訳活動を展開(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
roughfractus02
4
戦術を排して戦略を語れば机上の空論と呼ばれるが、本書は、戦術から入るリターン重視のリスク概念に対し、ドローダウンからリスクを測る戦略を提起する。著者は確率分布を用いてコントロールできない破産リスクから始め、リターンの最大化を検討する。そこで導出される期待値が負または正の場合から総資金に対する最適比率(オプティマルf)については、読者自身コンピュータでテストしてそのレバレッジ・モデルを体験する必要はある。が、算術平均のHPR(各トレードのリターン)の最大化よりその標準偏差の最小化が重要である点が理解できる。2017/10/29
シエナ
1
全体的に丁寧で良い解説。前半は確率・統計の本としてもす優れている。とはいえ最終ゴールは投資におけるリスクマネージメントにある。2024/01/08
さわでぃ
1
確率・統計についてかなり詳細に書かれており、全編読むのはかなりの労力がいる。オプティマルfについての章だけ目を通しておくので十分ではないだろうか。2013/08/11
Tao Yamamoto
0
資金管理における数学的な視点からの挑戦。数式が中心で難解だが理解すると資金管理に関して大きく成長できる。
真魚
0
もっとシンプルにならなかったのだろうか、というのが感想。数学的満足の傾向を感じつつも、一読には値する。コイン投げの地形図など、材料工学などでも見る。そうした自然科学的普遍性に意識は向く。凄い本ではある。ただ、私はもっとシンプルなのがいい。2018/10/22