内容説明
本書では、「集団思考」にとらわれたために惨憺たる失敗を犯したファンドマネジャーたちを取り上げている。「集団思考」とは、集団行動をとることによって個人の意思決定がそれに大きく左右され、ときに自己の利益を損なう結果を招いてしまうという心理現象である。ドレマンはこの集団思考にとらわれることのないように、個人投資家に注意を呼びかけるとともに、集団思考に追随する投資家よりも優れたパフォーマンスを出せる投資テクニックも明らかにしている。また、ドレマンは本書の最後で、証券アナリストとしてその効果を証明してみせた投資テクニックを使って効率市場仮説(ランダムウォーク理論)が有効ではないことを証明する明白な事例を示し、ランダムウォーク理論にはっきりと異議を唱えている。
目次
第1部 機関投資家の運用実績とそれに基づく考察(機関投資家による投資活動の謎;学者たちの猛襲)
第2部 異常な群集心理(バブルの崩壊;1960年代のバブル)
第3部 ウォール街に見られる集団思考(有害な競争環境;集団思考が生まれる環境 ほか)
第4部 投資家は市場に勝てるか(株式市場を飛び交うさまざまな情報―森を見るか、木を見るか;効率的市場仮説の信憑性 ほか)
付録 一九六七~一九七六年では不人気銘柄が人気銘柄のパフォーマンスを上回った
著者等紹介
ドレマン,デビッド[ドレマン,デビッド][Dreman,David N.]
マニトバ大学でファイナンスの学士号・修士号を修得。カナダで証券会社を経営しているときに、調査レポートを執筆し、多くのファンドマネジャーたちとの人脈を築いた。現在は、ドレマン・バリュー・マネジメントの創設者兼社長で、投資最高責任者。フォーブス誌のレギュラーコラムニストを22年間務めている
秦由紀子[ハタユキコ]
上智大学外国語学部英語学科卒業。翻訳者。ビジネス・証券・法律分野の翻訳を手掛ける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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