マグノリアブックス
ヒトラーの毒見役

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  • サイズ 文庫判/ページ数 401p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784775529188
  • NDC分類 973
  • Cコード C0197

内容説明

一九四三年の第二次世界大戦末期、故郷のベルリンを離れ、夫の実家があるポーランドの田舎町に疎開していたローザ。ところが、その場所はヒトラーが総統大本営を置いて滞在していた地域。ローザは到着間もなく、ヒトラーに食事が運ばれる前に試食する係…そう、毒見役として働くことを命じられることになった。死と隣り合わせの日常に、ローザを外様扱いするクセの強い同僚たち。絶望的な毎日を送る彼女の唯一の救いは、出征中の夫から届く手紙だった。ところが、その夫が行方不明になったという知らせが届き―。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

かめりあうさぎ

32
初読み作家さん。実在したヒトラーの毒味役の女性が語った話に着想を得て書かれた小説。戦後、彼女はヒトラーの協力者とされるのを恐れ、2012年に95歳になるまでその事実を隠して生きていたそうです。強制的に招集されたドイツ人女性達がヒトラーの食事を毒味する。拳銃を持ったナチス将校達に監視される中、それは文字通り死と隣り合わせの仕事で彼女達には拒否権はなかった。ドイツ人女性がこういう仕事をさせられていたことにも、彼女達の非道な扱われ方にも驚きました。その後の長い人生に少しでも本当の幸いがあったことを願います。2020/01/21

つちのこ

30
やや冗長で読みづらくも感じたが、辛抱強く読了した。全体を通して抑揚に欠けるが、淡々と流れる映画を観るようで、シリアスな内容に反して、同時に心地よさも味わうことができた。ヒトラーの毒見役という稀有な体験を通して、ナチスに加担したという罪意識を持ち続け、死の間際に生き証人として事実を公表したモデルの女性の勇気は賞賛に値する。ホローコーストの被害者ばかりがクローズアップされるなかで、ヒトラー独裁政権に翻弄されたドイツ人女性もいたという事実。彼女もまたナチスの被害者といっても良いと思う。2023/04/06

Nobuko Hashimoto

24
主人公は新婚一年で夫が出征、夫の実家の田舎に避難する。そこでヒトラーの毒見役に就かされる。同僚の女性たちとの反目や友情、監督者であるSS将校との関係、戦地で行方不明になった夫との思い出、土地の名士夫人との交流、夫の両親との関係などに揺れる主人公の心情を追うような小説。ほぼフィクションかと思ったら、モデルとなったマルゴット・ヴェルクさんの証言をまとめた記事を読むと、かなり事実に沿っているようでびっくり。ブログに詳しく。https://chekosan.exblog.jp/30272305/2020/10/28

寒っ!!

11
一つの歴史について,極めて狭い範囲内で切り取っている。特に盛り上げるでもなく淡々と進めており,今一つ読んでいて主題が分からない。刹那的な男女の関係を見せられてもなんでその方向に進むのだろうという疑問しか生じなかった。2020/06/22

ののまる

10
実在したヒトラーの毒味役だった女性をモデルに再構築した小説。暗殺の恐怖に取り憑かれたヒトラーのために、毒味役として強制的に集められた女性たち。親衛隊の監視のもと、命と引き替えに毎食すべての料理を完食する。戦後も協力者と非難されることを恐れ、苛酷な半生を誰にも明かすことはなかった。2020/12/21

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