内容説明
『ファーベックス』は写真家のアリス・ファン・ケンペンと、彼女のブルテリアで親友でもあるクレアがヨーロッパの廃墟をめぐる、都市探索の旅を記録した1冊です。アリスとクレアは荒れ果てたホテルや豪邸を一緒に訪ねます。崩れかけた城や宮殿、破壊された工場や監獄、忘れ去られた劇場や映画館など、どれも荒れ放題になった場所ばかりです。それでも、大半の廃墟は輝かしい、あるいは恥ずべき過去の、色褪せてしまった権力の象徴や台無しになってしまった贅沢さをいまだに見せてくれます。そして、多くの場所は自然の影響を受けて、見事に美しさを取り戻しているのです。本書では、アリスとクレアが最高にユニークな写真の数々を提供してくれます。さらに、その場所に潜むさまざまな物語を教えてくれ、彼らが発見した失われた世界の亡霊たちをよみがえらせてもくれるでしょう。
目次
イントロダクション
森の中の療養所
ホテル・アトランティス
1555監獄
シャトー・ベルデュール
シャトー・コンゴ
クリスタル工場
旅の写真
ノワジー城
ヴィラ・ファルコネッティ〔ほか〕
著者等紹介
金井真弓[カナイマユミ]
翻訳家。大学非常勤講師。千葉大学大学院人文社会科学研究科修士課程修了(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
タカラ~ム
13
人が住まなくなり打ち捨てられて荒廃した都市の廃墟を探索することを「アーベックス」というのだそうで、本書は写真家のアリスが愛犬クレア(ブルテリアのメス)をモデルにヨーロッパ各地の廃墟で撮影した写真を集めた写真集である。モフモフの犬を連れているから毛皮のファーをつけて「ファーベックス」である。表紙をはじめ本書に掲載されているクレアをモデルにした写真がすばらしい。クレアは実にさまざまな表情をみせている。悲しそうな表情、楽しそうな表情、罪を悔いているような表情、威厳のある表情。一枚一枚に思わず見入ってしまう。2019/09/22
yk
8
さらっと。クレアは忍耐強い。この写真を撮るのにがんばったんだろう。どんな場所でもちゃんと待っている。えらいな~。廃墟と犬というテーマで写真を撮るなんてどういう発想なんだか。もうアートを見ているようだ。というかアートです。まあなんか色々書いたけどかわいいって。もうかわいい。2021/12/18
ぞだぐぁ
2
愛犬と共に活動する廃墟探検家が廃墟を舞台に撮影した写真集。舞台にあった衣装を着たブルテリアが可愛らしい。2019/06/26
呑司 ゛クリケット“苅岡
1
クレアと言うブルテリアが主人公の写真集。廃墟をバックに写真を撮る訳だが、廃墟だけあって活気は無い、不気味さの中に歴史的作為を語らせている手法は面白い。犬好きでなくともクレアの愛らしさと廃墟のコントラストは何かを訴えていることを理解出来るだろうと思う。2021/08/14
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