内容説明
兄が経営する賭博クラブで経理を担当しているヘレナは、残酷な養い親であったディゴリーのもとを逃れて以来、兄から与えられた無数のルールとともに生きてきた。ルールのひとつに堕落した貴族を避けるというものがあるが、クラブの居住区にある自室の鍵をかけ忘れたことで酔った貴族に部屋に入られてしまい、それを知った兄はヘレナをクラブから追放すると決めた。追放された彼女の行き先は、ウィルキンソン公爵の屋敷だ。ヘレナは公爵の非嫡出子で、彼のもとで社交シーズンを送りながら結婚相手を見つけなければならなくなり…。
著者等紹介
コールドウェル,クリスティ[コールドウェル,クリスティ] [Caldwell,Christi]
USAトゥデイのベストセラー作家。コネチカット州の南部在住
高岡香[タカオカカオル]
英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ち~
36
祖父と、結婚を決めた女性に裏切られ、女性を信じられなくなった侯爵ルパート。賭博場で前後不覚に酔っ払い、自室と間違えて、賭博場のオーナー妹で経理を務めるヘレナの部屋で一夜を明かす。ヘレナはそれが原因で賭博場を出され、実父の公爵家へ4ヶ月間、過ごす事になった。女性を信じられないロバートと、貴族を憎み賭博場へ帰りたいヘレナはお互いを知る毎に新たな発見をする。高感度が高いだけに、この2人の話が割と地味で少し退屈で、むしろ、2人の父親の子供への想いが温かく、父と息子、父と娘の心が通いあう場面がとても印象的だった。2020/02/02
たまきら
26
粗削りな印象ですが、登場人物がいい感じ。辛い幼少時を送り、兄と路上での仲間(?)男子たちに愛されているものの軟禁状態で暮らす女子が、ある事件を機に軽蔑する貴族の世界に送り込まれ…というような話。徐々に彼女の過去が明らかになっていくんですが、これが読者ももどかしく、それが作者が意図したものなら成功してます。わかりにくいけど。男子の惚れっぷりがかわいかった。お兄様が早く読みたい。異母妹もかわいかった~。諸悪の権化は少し哀れだったけど、同情の余地はないなあ。2018/10/20
矢田ふみえ
4
なかなか、壮絶な人生送ってきたヒロイン。自分で守り、守られてきた。子供時代の責任は負うことはできないけど、それを背負っていくのは、避けられないことだものね。いい人に巡りあえて良かったね。2019/02/24
みみ45
1
幼いころの虐待から左頬に傷があり、経理が得意な異色なヒロイン!であまり期待してなかったのですが、なかなk面白かったです。 ヒロインが、擦れてなくていい子だし、ヒーローもいろいろあった割に素直ないい人で、ヒロインの過去に同情しそういう状況を生き抜いてきたヒロインを尊敬し、愛し始めちゃうところよかった。 周りの方々もかなりいい人でシリーズもののようなので楽しみですね。2018/09/15