内容説明
刑務所看守のハリーはけがで仕事ができなくなり、支給される手当で飲んだくれ、自分の排泄物の中で目覚めるような毎日を送っている。バス運転手のリッキーは、乗客を死亡させるほどの大事故を起こして職を失い、家族と遠く離れて暮らすことになった。七十代のフランクは、心は冒険を求めているものの心臓が悪く、癌で先が長くない。これ以上落ちるところなどない負け犬三人が出会って計画したのは、金塊が眠るという噂のある鉱山でのお宝探しだ。崖っぷち男たちがひとつの目的のために意気投合し、金塊と生きる張り合いを求めた冒険がいま始まる―！
著者等紹介
ショー，ジョニー［ショー，ジョニー］ ［Ｓｈａｗ，Ｊｏｈｎｎｙ］
Ｊｉｍｍｙ Ｖｅｅｄｅｒ Ｆｉａｓｃｏシリーズでアウル賞受賞。「負け犬たち」ではアンソニー賞を受賞した。長編のみならず、短編もアンソロジーで発表。ハードボイルドマガシン「血とタコス」のクリエーター兼、編集者でもある。オレゴン州ポートランドで暮らしている
野村恵美子［ノムラエミコ］
ロマンスを中心に、エンターテインメント系フィクションの翻訳に従事（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
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感想・レビュー
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ナミのママ
50
運に見放された3人が金塊探しの旅に出る。とにかく惨めなのだ。ミイラのようにぐるぐる巻きの中年ハリー、ジャックオーランタンのように腫れあがった顔の若者リッキー、身体中が癌に侵された老人フランク。3人が初めて顔をあわせた病院での姿だ。誰かが必ず病んでいる状態の3人がとにかく面白い。これはもうドタバタ劇、そしてかなり品がない。しかし残りページが少なくなるにつれ着地点が気になり、いつのまにか笑っていられなくなった。こういう作品が受賞するのもアメリカならではなのかな。 【アンソニー賞ペーパーバック賞】2022/06/26
GAKU
46
中盤まではあまりページが進まなかった。以降はどのような結末になるのか気になり、頑張って最後まで読んだ。登場人物の設定とか、お下品でドタバタな感じとかは結構好みでしたが、何かもうひと味足らないなといった作品でした。 2022/07/21
ざるこ
37
刑務所看守のハリーは飲んだくれてツイてない人生を嘆きながらも「いつかはいい事あるさ」と前を向く。そんな時に耳にした金鉱が眠る鉱山の話。バス運転手のリッキー、癌を患うフランクと共にお宝探しの旅に出る。冒頭からちょっとお下品な言葉が多いけど、まったくアホらしくて笑える。70代のフランクが時々いいこと言うけど、みんな頑張る方向間違ってる！「あれ？あの死んだ人どうなった？」とかは気にしない。負け犬たちが愚かなことに一生懸命なことを見守る(読み守る？)だけ。金は見つかるのか？コメディ映画を観たような読後感です。 2019/03/06
ハスゴン
25
ここでも、殆ど登録がなくて寂しいですが、落ちぶれ達が頑張る姿に感激します。 そして人はひとりでは生きていけないと痛感するし、家族や仲間に感謝したくなる物語だと思います。2016/07/05
りー
25
人生の負け組達が一発逆転を夢見て手を組むという古典的ストーリーで、物語にも特筆するような仕掛けがあるわけでも斬新さや珍奇さがあるわけでもないけれど、時々はこんなシンプルでスッとする小説が読みたくなることって、きっと誰にでもあると思うんだ。2016/05/15
