内容説明
「恵まれすぎた男」「ちりばめられた記号」「真実の主人公」「回るハンドル」「自殺者への言葉」。著者の幅広い知識を駆使した、究極の読み解き本。
目次
恵まれすぎた男―心の奥底にある闇が書かせるもの
KAGEROUとは―日本語が苦手な日本人として
虫愛づる男―「風の谷のナウシカ」のように
自殺する男―三万人を代表する主人公
不運な中年男―オヤジギャグはなぜ連発されるのか
ちりばめられた記号―具体名が付いたものと無名の小道具
真実の主人公―京谷貴志とは何者なのだろう
愛されるべきヒロイン―「はかなさ」を象徴する聖なる存在
臓器移植―誰かの死が誰かの生につながる
脳死と脳移植―心と記憶は他者に移植できるのか
張られる伏線―読者にどこまで気付かせるのか
命のリレー―命は姿を変えてずっと続くものなのか
回るハンドル―生き続けたい気持ちの視覚的な仕掛け
気になる細部―それらはどこから発想されたのか
自殺者への言葉―チャップリンに励まされて
著者等紹介
外村明彦[ソトムラアキヒコ]
1951年生まれ。長く出版社に勤務する。2007年に二冊のエッセイ集を出版し、日本冒険小説協会の特別賞を受賞する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
梟をめぐる読書
8
てっきり「こんな作品を真剣に読解してちゃってる自分」を売り込むための文芸批評家の“芸”なのかと思ったけれど、ちがった。水嶋ヒロが真正面から挑もうとしたテーマや、作品内で親父ギャグが連発される理由について、この著者は真摯にその意図を汲み取り、独自の考察を加えようとしている。もちろん“便乗本”であることにはちがいないのだが、今回の『KAGEROU』騒動に(たとえどんな形であれ)加わった心当たりのある人すべてに、まずは一度読んでもらいたい本。2011/03/11
海猫
0
一応帯に偽りはないけど元の水嶋ヒロの本がそもそもアレな内容だしなー。2011/03/16