内容説明
分断のシステムに抗い続ける物語はどんな“かたち”をしている?人種、ジェンダー、階級などのアイデンティティの諸相が交差する中で生まれ、醸成されてきた“アメリカ的危機”の感覚がフィクションや視覚文化の中でいかに具現化されているのかを明らかにしていく―。
目次
序章 危機の時代の物語のかたち
第1章 ビヨンセ『レモネード』における暴力、嵐、南部
第2章 レベル・ガールの系譜―南部的反逆する娘像と連帯のナラティヴ
第3章 『ヒックとドラゴン』における障害、動物、成長物語
第4章 「エコロジーをダーティにせよ」―ジェズミン・ウォードと新時代の南部環境文学
第5章 「セイ・マイ・ネーム」―ふたつの『キャンディマン』とインターセクショナリティ
第6章 湿地のエージェンシー、ぬかるみのフィクション―ディーリア・オーウェンズ『ザリガニの鳴くところ』と人新世の物語
著者等紹介
ハーン小路恭子[ハーンショウジキョウコ]
1975年生まれ。専修大学国際コミュニケーション学部准教授。東京大学大学院人文社会系研究科欧米系文化研究博士課程中退。ミシシッピ大学英文学科博士課程修了Ph.D.(English)。専門分野は20世紀以降のアメリカ文学・文化で、小説やポップカルチャーにおける危機意識と情動のはたらきに関心を持つ(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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