内容説明
「近代的自我」の変遷をたどりながら、アメリカ文学の見取り図を描き、「文学史とは何か」「小説の評価とは何か」を問うた書き下ろし1500枚。
目次
第1部 伝統の形成―自我の原風景(ピューリタニズムからフランクリンへ;クーパーと「正義の暴力」の伝統 ほか)
第2部 アメリカン・ルネッサンスの隆盛―自我をうたう/うたがう(ポーと精神分析批評;ホーソーンと「ロマンス」というジャンル ほか)
第3部 近代小説の展開―自我がためされる(ハウエルズ、ジュエットと近代小説の成立;トウェインと個人主義の夢 ほか)
第4部 モダニズムの文学―自我がゆらぐ(フィッツジェラルドとモダニズムの人間像;モダニズムの詩人たち ほか)
第5部 戦後文学―自我をつくろう(混乱の五〇年代と「ビート世代」;家族小説(1)―南部小説 ほか)
著者等紹介
平石貴樹[ヒライシタカキ]
1948年、函館生まれ。東京大学教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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へんかんへん
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厚かった・・・ すさまじい量の作品と作家をよく一冊にまとめて文学史として紹介できたなと感動した 2014/02/25
youtom
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素晴らしいコストパフォーマンスと力業。2012/03/13
ぱぴ
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つまみ食い的に。2011/06/27
水紗枝荒葉
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辞書としても通読しても使えるアメリカ文学の歴史本。各部のタイトルが「自我の原風景」「自我をうたう/うたがう」「自我がゆらぐ」であるように、「近代的自我」という今書く文学史としてはド直球すぎるものをメインテーマに据えている(どうやら東大アメ文の伝統らしい)。でも面白い。著者の偏好が通史をより魅力的にしているが、当然ながら注意も必要。具体的にはモダニズムに好意的でポスト・モダニズムに辛い傾向がある。ポール・オースターあたりは挙げられている作品名もパッとしないものが多く、ブックガイドとして頼りにならない。2022/10/30