内容説明
ナチスの猛威に翻弄されたつつましい一般市民。実はヒトラー政権を支持し、それを歓迎したのはほかでもないこうしたごく普通の庶民だったのである。生活に影を落とす一見無害ともいえる危険な徴候。それが独裁権力を恐ろしいまでに増幅させていく。「私は世界中の若い人たちがこうした危険な徴候を事前に察知する能力を養い、歴史上最も悲劇的だった出来事を再び起こさないという使命を共に担ってくれることを心から願っています」。一人のドイツ人少女が見た、親子三代にわたるドイツ人家族の貴重な記録が、いま浮き彫りにされる。
目次
序文 子供時代の回想記を書くにあたって(ヒトラーに抱きあげられて)
第1部 1906‐1934―ペールマン家(結婚式;不満の原因 ほか)
第2部 1934‐1939―ヒトラーの信奉者(つかの間の幸福;暮らしの中のしきたり ほか)
第3部 1939‐1945―戦争と陥落(ザルツブルク;初期の犠牲 ほか)
第4部 1945‐1948―にがい正義、いや正義はなされるのか?(ニュルンベルクにおける絞首刑;星条旗の下での復興 ほか)
著者等紹介
ハント,イルムガルド・A.[ハント,イルムガルドA.][Hunt,Irmgard A.]
1934年、ドイツ、ベルヒテスガーデンに生まれる。1958年、アメリカ合衆国に渡る。長年自然保護団体の役員を務め、非営利団体の顧問としても活躍。引退後、この回想記を著した。コロンビア大学で学士号、ハーバード大学で行政学修士号を取得。二人の子供、二人の孫がいる。ワシントン在住
菅野圭子[カンノケイコ]
1953年、北海道生まれ。東北大学教育学部心理学科卒業。出版社勤務を経て実務翻訳の仕事に携わる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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