内容説明
母語ではなく、第二言語つまり外国語としての英語の辞書(メンタルレキシコン)について扱ったものである。本書は、母語の場合とは違って、学習途上にある日本人英語学習者が、一種の中間言語として、どのような英語の心的レキシコンを持っているのか。またそれはいかにして獲得・教育されるかについて扱ったものである。
目次
メンタルレキシコンとは何か
第一言語における語彙獲得とことばの処理プロセス
語彙知識とその測定
メンタルレキシコンの語彙情報へのアクセスモデル
語の音韻表象へのアクセス
語の意味表象へのアクセス
英語の語彙知識と言語運用
言語理解とメンタルレキシコン
単語の処理と記憶:英単語リストの自由再生課題による検証
メンタルレキシコンの脳内機構
語彙ネットワークと第一・第二言語のメンタルレキシコン
コロケーション、チャンク、語彙フレーズと外国語教育への応用
外国語の語彙学習と指導法
第二言語習得理論の構築に向けて
著者等紹介
門田修平[カドタシュウヘイ]
関西学院大学法学部および大学院言語コミュニケーション文化研究科教授。神戸市外国語大学英米学科、同大学院修士課程(英語学専攻)修了。聖母被昇天学院女子短期大学英語科専任講師、龍谷大学経営学部専任講師、関西学院大学法学部助教授、同教授を経て、2001年4月より現職。専門は、心理言語学、応用言語学。1985年度日本カトリック短期大学学術研究奨励賞、2002年度大学英語教育学会賞学術賞受賞。書かれた文やテキストの処理プロセス、語彙アクセスなどに関する論文がある
池村大一郎[イケムラダイイチロウ]
京都府立朱雀高等学校教諭。京都教育大学教育学部英文学科(英語学専攻)卒業。1989年京都府立朱雀高等学校教諭、現在にいたる。2000年姫路独協大学大学院言語教育研究科修士課程(英語教育学専攻)修了。2001年名古屋大学大学院人間情報学研究科博士後期課程入学。専門は、英語教育学、心理言語学。リーディング、リスニング、語彙指導、音声呈示語の認知などに関する論文がある
中西義子[ナカニシヨシコ]
大阪国際大学教授。米国ワシントン州立大学言語学科卒業。米国カリフォルニア州立大学ロスアンジェルス校(UCLA)大学院修士課程(TESL)Teaching Certificate取得。米国テンプル大学大学院修士課程修了、M.A.in TESL取得。大阪国際女子短期大学専任講師、助教授を経て、2000年4月より現職。専門は英語教育学、英語音声学、応用言語学。第二言語における語彙知識などに関する論文がある
野呂忠司[ノロタダシ]
愛知教育大学教授。南山大学外国語学部英米科卒業。兵庫教育大学大学院修士課程(言語系コース)修了。その間、オーストラリア政府の奨学金を受けキャンベラ大学で応用言語学を修める。1997年4月より1年間トロント大学オンタリオ教育研究所で在外研究。三重県の私立、公立高等学校の教諭、鈴鹿工業高等専門学校助教授、相愛大学助教授・教授を経て、2001年4月より、現職。専門は英語教育学。リーディングの処理理論と指導、多読指導、語彙の習得と指導等に関する論文がある
島本たい子[シマモトタイコ]
関西外国語大学短期大学部専任講師。横浜国立大学大学院教育学研究科(英語教育専攻)修了。ウィスコンシン大学大学院英語学部応用言語学科留学(TESOL Certificate取得)。横浜国立大学、玉川大学などの非常勤講師を経て、2000年4月より現職。専門は英語教育学。リーディングと語彙、語彙習得に関する論文がある
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