出版社内容情報
「幽霊屋敷」という言葉には、どこか古めかしいものを感じますが、どうもそれは間違っていたようです。ネットには怪談が溢れ、動画投稿サイトでは「心霊スポット」や「事故物件」をタイトルに、幽霊が出るという家屋や建物を果敢な探索者たちが取材した動画が、絶え間なく公開されています。どうも、私たちが生きているこの時代は、ブルワー=リットンが「幽霊屋敷」を書き、心霊スポットの探検が流行した19世紀半ばあたりと、あまり変わってはいないようです。
本書では、西洋怪談の古今の名作から、幽霊屋敷ものを集めてみました。一般住宅から農園付き邸宅、下宿まで、不穏な物件が揃っております。どうぞお好きなところから御内覧を。鍵は――ほら、もうお手元にありますよ。
目次
現代世界幻想文学選・中華人民共和国 恋猫記
創作 コヴェントリーのトム
〈ゴースト・マン〉の幽霊屋敷探索
なにかがそこにいる
農地(と幽霊)付き物件
空室あります
創作
『幻想と怪奇』創作コンテスト〈オカルト探偵〉入選作
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
翠埜もぐら
15
皆怖くて気絶しそうなのだけれど、いて欲しいから見て感じるのが幽霊なのだと思っています。だって恨みを飲んで死んでいるのにそれを晴らすすべがないって、生きている方にとっても納得いかないし、腹立たしいものね。だからみんな幽霊大好き。幽霊にいて欲しい。ただ死んでしまったものは恨みの向ける先を往々にして間違えたり誰でも良かったりするのがはた迷惑なんですよね。2025/05/31
timeturner
5
幽霊屋敷譚特集。「キストラックとお化け」「めでたい結末?」「寄る辺なき幽霊」の幽霊たちがユニーク。アーサー・コナン・ドイルが18歳で書いたという「ゴアズソープの幽霊屋敷」、すでに心霊現象の世界に片足突っ込んでるじゃないか。木犀あこさんのコラムはレビューのようなエッセイのような小説のような内容で、不穏な怖さがあって面白かった。2025/06/08
にしきみ
1
理詰めの幽霊たち2025/05/03
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- 和書
- 青白い炎 ちくま文庫