出版社内容情報
新「幻想と怪奇」第二弾の特集は、ヨーロッパに広く伝わる人狼の伝説。
内容説明
ヨーロッパに広く伝わる伝説の存在―人狼。人と獣のあいだを行き来するものたちは、呪われた怪物なのか、あるいは選ばれて野生の能力を得た者なのか。名のみ高い古典作品『人狼ヴァグナー』をはじめとする英国怪奇小説から、パルプ・フィクションを経て現代の都市伝説にまで脈々とつながる、変身と野生のフォークロアをここに追究する。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
あたびー
24
#日本怪奇幻想読者クラブ 未読で飾ってありましたが、読書会のために取り出し読了。みっちり狼です。巻末の人狼小説一覧を見ましたら、持っているだけでも更に読まなくてはならない本がたくさん出てきてしまい、さて読書会までに読みきれるでしょうか。初読の短編もたくさんあり、とても楽しめました。よく考えたら映画をあまり見ていませんでした。少しずつ見たいと思います。(以下覚書)2020/09/07
つるら@turulaJB
15
#日本怪奇幻想読者クラブ ■牧原勝志 企画編集 新紀元社2020.6■以前読んだホラーのガイド本では、三大モンスターをドラキュラ、フランケンシュタインの怪物、ジキル博士とハイド氏であるとし、人狼は変身テーマとしてジキル博士の下に置かれていた。人狼テーマの解説本やアンソロジーはあまり見つけられずにいたので、この特集はありがたい。■既読は別訳の『ランニングウルフ』のみ。執筆年代、時代背景ともにバリエーションに富んでいて楽しく読めた →2022/07/31
5〇5
10
満月の光で変身し、銀の銃弾に弱い。三大モンスターの一角を担うのが、狼男ですね。吸血鬼と比べると、やはり作品数は少ないようです。本書では1800年代から2000年代までの作品が紹介されています。その変遷を意識しながら、いろいろな人狼が楽しめました。ちなみに、2021年9月21日の中秋の名月は満月でした。月光を浴びたのかな、なんて妄想にふけりました。2021/10/01
竜王五代の人
6
ちと首をひねるような話が多かったので残念。割りとよかったのは、彷徨える狼男の悲劇的な最期を描いた「闇はもう戻らない」、でもあれ、事件に巻き込まれて死ぬ奥さんの下りは余計だと思う。着物がないと人間に戻れない設定の「狼人間」は満月とか銀の弾丸とかのお約束が固まってないころなのが興味深い。斜線堂センセの映画「狼の血族」の、「狼男への憧れ」で出来 たもの、というのは素敵な紹介だった。2025/04/14
りろ.
5
人狼いっぱいお腹いっぱい楽しめました。映画やドラマでヴァンパイアものには必ずと言っていいほど人狼も出てくる、何か関係あるのかな?とずっと気になっている。この本でその気になっていたことが解決されることはないのだけれど、同じ病気扱いにされてたりしてたお話もあった。お気に入りはオリヴァー・オニオンズ「屋敷の住人」、ニーナ・キリキ・ホフマン「ゴミ箱をあさる」。海外人狼小説リストがある、機会があれば読みたい!全部読みたい!!2024/07/28