内容説明
悪魔の神学的位置づけから対処方法、召喚方法まで、知りたかったあれこれを図解でしっかり解説。
目次
第１章 悪魔とは（悪魔とは何か？；悪魔の原型アーリマン ほか）
第２章 悪魔学・基礎編（神学としての悪魔学；イグナティオスの悪魔論 ほか）
第３章 悪魔学・発展編（悪魔学の多様化；悪魔はどんな姿か？ ほか）
第４章 魔女の悪魔学（悪魔の隆盛と魔女狩り；魔女とは何か？ ほか）
第５章 グリモワールの悪魔学（グリモワールとは？；ソロモン王と悪魔の伝説 ほか）
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ユカ
31
なんか変な本読んじゃった。図書館で借りたんだけど、何を調べたくてこの本を探したのか、当初の目的を忘れてしまいました。それでも、アンチキリストのお話や、三銃士にも登場する悪役のリシュリュー枢機卿が悪魔憑き事件を画策して政敵を陥れたお話は、へえーっと思いました。若かりし日に遊んだRPGのことも思い出したり。悪魔や怪物の名前が有名ゲームのモンスターと同じ表記ならもっとわかりやすかったかも。サクバス→サキュバス？ レビアタン→リヴァイアサン？ 民俗学の一端的な書物でした。2014/05/30
テツ
25
多神教ではよくわからない文化や思想から生まれた神様と出くわしたら「とりあえずうちの神様の仲間設定にしとくか」ができるのだけれど、いわゆるアブラハムの宗教に代表されるような一神教でそれは許されない。神は唯一無二の存在だからだ。だから異文化の神はそのパラダイムにおいては神性を剥奪される。矮小な取って付けたような魔性を与えられ悪魔とされる。一神教というシステムではカバーしきれなかった全てを悪魔や魔女というブラックボックスに放り込んだ感じ。中身を知らない人間が箱の中身を想像して描いた悪魔の姿は興味深く楽しい。2019/05/03
マウリツィウス
20
【悪魔／神学論】新約聖書における悪魔像はゾロアスター由来とするのはボゴミル的であり、まず検証必要。実際的にはギリシャ異教混淆との間で克服論として旧約サタンに異教的概念が含まれたと定義すべきだろう。以降、文学主題ではなく改革史上で論じられる資料群をバルトは看過せずに著作中にて批判、無神論／悪魔台頭否定論の共時性を見抜き逆に利用することで現代文明から追放。メフィストフェレスとはルターの影でもあり宗教改革二次産物と称す。古典的神学説において悪魔の位置とは異端史ではなく弁証法方法論で打開すべき判断を呈する結論。2013/06/22
磁石
15
Godの絶対性を示すために、必然的に生まれてしまう悪魔。というか、初めから二つの顔を持っていたんじゃないかと思えるぐらい、唯一神教には欠かせない悪魔。Godとは全てが真逆になるとの性質故か、たった一人のGodに比べてわんさか／多種多様にある。そんでもって顔も姿も定かではないGodに比べて、異様な怪相なれど確かな輪郭を持ち合わせている。当時の人たちの妄想力のみで描かれたにしては、中々に微に入りサイを穿った描写。悪魔学というものが、どれだけ栄えていたのかがわかる。2016/04/01
ヒュンフ
14
敵国の異教までも悪魔化してる。取り入れると言えば聞こえはいいが子供の悪戯染みている。十字軍の失敗やペストの流行で不安と比例して激しくなる魔女狩りはナチスと同等。まさしく人間の負の部分。 わざわざ魔術書を用いて入念な準備をしたのに悪魔召喚できなかった人達はどのように折り合いをつけたんだろう。正直に言っても悪魔を疑われるし、召喚方式を疑っても教会に楯突く事になる。自身の信心や力を疑うしかないわけだが、悪魔や教会に疑いを持ちながら上手いことやってた人を尊敬する。ユーモアの力が輝く分野。 2021/12/07
