出版社内容情報
コスミック時代文庫
【目次】
内容説明
「あいそねえ」「金がねえ」「出世しそうにねえ」北町奉行所の平同心・渋井鬼三次は、景気悪そうな面構えのせいか、そう陰口を叩かれていた。さらに「女にもてねえ」、「女房子供にも見限られた」とも。そんな渋井に期待する人物がいた。お奉行の永田備後守である。渋井の「少々癖のある性根が、探索にはうってつけである」らしい。札差の若旦那が拐かされて、身代金三千両を奪われた事件が発生、その真相究明を命じられる。渋井は岡っ引きの助弥と、物真似芸の大道芸人で見目麗しき人気者・菊市と共に、粘りある探索で影さえ見えぬ犯人たちに、僅かな手掛かりで迫っていく。「風の市兵衛」の濃厚脇役・渋井鬼三次が主役になって大活躍!
著者等紹介
辻堂魁[ツジドウカイ]
1948年、高知県生まれ。早稲田大学文学部卒業後、出版社勤務。その後本格的に文筆業に入る。迫真の剣戟情景と江戸情緒溢れる軽妙な筆致が好評を博す(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
み
19
さくさくと♪市兵衛さん登場前の時代の渋井さんがメイン。今作もイイですが、やはり市兵衛さんメインの方が好みです。2025/09/03
ひさか
16
2025年7月コスミック文庫刊。書き下ろし。序の巻望月のころ、上の巻大道芸人、中の巻紙風船、下の巻武州平野、終の巻深川暮色、の5章で構成した長編。渋井鬼三次が定町廻り同心を拝命することになった事件が語られる。読み終えると鬼しぶの人情味や公平性と救い等、味のある展開で満足したが、導入部の大道芸人の章の迷走で息切れした。風の市兵衛NHKドラマのキャストに触れた小松與志子さんの解説が興味深い。2025/08/28
ニッキー
5
6月は、一冊も読了出来ませんでした。 この作品はネットで発売を知り、すぐ取り寄せました。 そして、一晩で読み終えました。ドラクエXをやっている場合ではありません。遠く江戸の町にタイムスリップするのは楽しい😃まるで住んでいるような。 風の市兵衛のB面が表舞台に登場❣️これからが楽しみですね❣️2025/07/15
とよぽ
2
鬼しぶと助弥のコンビができたての頃の話。市兵衛ロスは仕方ないけど、登場人物それぞれが誠実だし、犯人一味にもドラマがあり、好感が持てました。2025/08/22