内容説明
深川八幡の祭礼を迎えた江戸の町は、昨今の五人組凶賊の横行に震え上がっていた。そこで立ち上がったのが、岡っ引きは仮の姿、実は北町奉行・遠山左衛門尉景元と、その御落胤と噂の笠井小平太であった。だが、景元がやくざ姿に身をやつして探索を続ける中、小平太は因縁の御家人くずれ、馬場陣十郎とその一派に追われ、匿ってくれたお高と恋仲に―。しかもこのお高、陣十郎が金で譲り受けた美妓だったのだ。二人の未来を賭けて果たし合いへ向かう小平太。一方、名奉行・遠山も、吃驚仰天の奇策で凶賊を引っ捕らえにかかる。ところが折も折、小平太には思いも寄らぬ運命が待ち受けていたのであった…!国民的人気作家の名作シリーズ「山手樹一郎傑作選」、第二十二弾!!
著者等紹介
山手樹一郎[ヤマテキイチロウ]
1899年、栃木県生まれ。編集者を経て文筆生活に入る。1940年より新聞連載を始め翌年刊行の『桃太郎侍』が大人気を博し、時代小説家としての地位を不動のものとした。その後も読者を楽しませることに徹した明朗闊達、爽快な作風で国民的人気作家として活躍し、映像化作品も多い。1977年勲三等瑞宝章を受章、1978年永眠(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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