内容説明
大伝馬塩町の長屋を五人の賊が襲ったのは、春の嵐がおさまった暁方のことだった。浪人の父親とふたりで住まう娘のお江依は難を逃れ、八丁堀同心・雁木の屋敷に助けを求める。雁木親子は長屋に駆けつけるが、部屋の中は血だらけ。そして、賊もお江依の父親もひとの姿はかき消えていた…。行方知れずとなった父親を案ずるお江依は、息子の雁木百合郎に岡っ引きの見習いをさせてくれと申し出る。定町廻りの務めに付き従いながら、父の行方を探ろうというのだ。男の形をして江依太と名を変えたお江依は、百合郎の追う役人殺しの探索を手伝うことになるのだが…。美貌の江依太と厳つい百合郎、奇妙な二人組が凶悪犯を追う!
著者等紹介
藤堂房良[トウドウフサヨシ]
宮崎県西都市生まれ。劇画家から、その原作者時代を経て時代小説作家に。九州さが大衆文学賞「笹沢左保賞」受賞、立川文学賞佳作(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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はつばあば
33
浪人者に襲われ・・父の遺体は見つかっていないが家は血の海。大事に育てられた娘は父の友人の八丁堀の家にかくまわれたが・・女でありながら江依太と名前を変え、男として目明しなんて粋じゃない~と。しかも生き人形とまで見られるなんて、超美人か冷たいお顔なのか。いやいや知恵あるお江依さんと剣術に長けた八丁堀の百合朗さんのコンビ、いずれそのうち・・(´∀`*)ウフフ。そうなればいいなという願望ですが・・百合朗さん喰われちゃうでしょうねぇ2022/06/06
M2
1
ラノベっぽい表紙にかなり引きつつ読んでみた。百合郎は魅力的だけどお江依の魅力が全くわからない。そもそもこれはW主人公ものなの?お江依視点の描写がほとんどないから彼女が何を思ってるかどう考えてるかがわからない。牙貸しの話は面白かったし他の登場人物の描写も活き活きとしているのに。お江依の存在だけが浮いている。好きな作家さんなんだけどなあ…。市兵衛さんのシリーズもっと書いてくれないかな。2021/06/16