内容説明
浪人になりたての桃ノ井狂介は、江戸へ向かう道中でおすねと名乗る腰元と知り合う。天真爛漫でわがままなおすね、実は前将軍の娘、季姫であった。尼ガ崎十万石松平家に嫁するはずだったが、夫となる当主に先立たれ、母方の里へ戻ろうとしていたのだ。一方、尼ガ崎家臣たちは二万石の化粧料とお家の安泰のため、季姫を返したくはない。慌てて分家から新当主を迎え、既成事実を作ってしまおうと、あの手この手で襲いかかってくる。そんな季姫に同情したのが狂介の運のツキ。かくして将軍姫君と素浪人、天と地ほど身分の違う二人の、恋の逃避行が始まった!
著者等紹介
山手樹一郎[ヤマテキイチロウ]
1899年、栃木県生まれ。編集者を経て文筆生活に入る。1940年より新聞連載を始め翌年刊行の『桃太郎侍』が大人気を博し、時代小説家としての地位を不動のものとした。その後も読者を楽しませることに徹した明朗闊達、爽快な作風で国民的人気作家として活躍し、映像化作品も多い。1977年勲三等瑞宝章を受章、1978年永眠(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
-
- 和書
- 国民投票制