内容説明
時は文政。上野のお山のふもとに、江戸の豪商・彦右衛門の寮があった。だが、とても金持ちの別荘には見えず、怪しげな男たちが寄り集まっては、日々、だらだらと遊び暮らしていた。そんな連中のなかで、ひときわ目をひく若侍がいた。名を明智春馬といい、なんと、かの明智光秀の血をひくという由緒正しき武人であった。彦右衛門は、この春馬を頭領とし、老中・水野出羽の悪政に対抗するいわば江戸の梁山泊を、寮に築こうとしていたのだ。いったんは頭領の役目を断るものの、弱い庶民を見捨てられぬのが性分。春馬は江戸の町を守るため、個性ゆたかな仲間とともに、権力者に対峙していくのだが…。期待の新シリーズ、第一弾!
著者等紹介
藤村与一郎[フジムラヨイチロウ]
1957年、東京生まれ。ニューヨーク大学大学院卒業。菊池寛作家育成会での修行の後、2009年作家デビュー。2010年、『鮫巻き直四郎役人狩り』で第十六回歴史群像大賞「最優秀賞」受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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