内容説明
大坂城代を務めていた土井六郎利位は、古河藩七万石の藩主であったが、その家柄は老中にもなれる名家である。養子としてこの家に入った彼は、大きな宿命を背負っていた。実は六郎、徳川の世では公にできない血脈を受け継いでいたのだ。一族再興の志を己に言い聞かせ、出世を重ねる六郎。京都所司代を経て、いよいよ老中への道が開ける。ついに江戸城へ入った六郎を待っていたのは、筆頭老中・水野忠邦であった。新老中を自らの懐へ誘い込みたい忠邦は、強気な政治手腕をまざまざと見せつけ、六郎を唸らせる。だが、その蜜月にも徐々に亀裂が…。いま、己が行なうべき政とは何か。幕府のためか、民のためか、はたまた一族の宿望のためか。そして下した驚くべき決断とは―!?
著者等紹介
誉田龍一[ホンダリュウイチ]
1963年、大阪府生まれ。2006年、時代ミステリー『消えずの行灯』で、第28回小説推理新人賞を受賞。翌年、受賞作を含む短編集『消えずの行灯 本所七不思議捕物帖』(双葉文庫)が刊行される。児童書や電子書籍など現代物も手がけている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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