内容説明
享和元年と元号が変わり、世の中は何となく浮かれた様子になりつつあった。そんな折、桜の散った江戸に、青羽二重の袖を翻した若侍が現れる。この謎の若侍、名前を問われて辺りを見回し、そこが浅草奥山だと知ると、奥山右京之介と名乗った。颯爽とした容姿に無垢な笑顔ながら、人を食ったような性格に、人々唖然。そんな右京之介は、ひょんなことから掏摸の弥太と、浪人矢島平四郎に出会い、思わぬ奇策を弄して江戸に蔓延る悪を断っていく助太刀稼業を始めるのだが…。
著者等紹介
高橋三千綱[タカハシミチツナ]
1948年、大阪府生まれ。テレビ局員、ホテルマンを経て、スポーツ紙記者在職中の74年に『退屈しのぎ』で群像新人文学賞を受賞。以後、著作に専念。78年『九月の空』で芥川賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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