内容説明
第十一代将軍家斉の側室お以登の方は、その第四十二子となる影姫を無事出産する。だが出生間もない姫は、権力の専横を目論む側室美代の方と老中出羽守が仕組む謀略によって、すぐに江戸城を追放されることになった。天下人の子から一転、非運の姫君となった影姫―。これに付き従う汐路や上月右平次は、いつの日か姫を再び帰城させる決意を胸に、出羽守配下の忍者明石十兵衛ら追手が迫る中、飛騨の里、さらに八丈小島へ逃れる。追手から身を隠しながらも山海の大自然に育まれて壮健な少女に成長した影姫が、十六年の時を経て江戸に戻ってきた。そして姫の放逐に協力し、立身出世した奸物たちに一人ずつ復讐する日々が始まる。
著者等紹介
島田一男［シマダカズオ］
１９０７年、京都府生まれ。満州日報社にて新聞記者を務めた後、１９４７年、雑誌「宝石」の短編懸賞入選作『殺人演出』で作家デビュー。１９５１年、『社会部記者』で探偵作家クラブ賞を受賞。１９７１年、日本推理作家協会理事長に就任。１９９６年、永眠（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
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